「人生が変わってしまう」 緊急避妊薬を求める切実な声
市野塊
避妊の失敗や性暴力などによる「予期せぬ妊娠」を防ぐ緊急避妊薬は、国内では医師の処方箋(せん)なしに購入できません。女性の人生を変えかねない大きなできごとなのに、薬が手に入りにくい現状を変えようと、多くの声が上がり始めました。
「みなさんはどんな避妊法があるか知っていますか」
昨年12月、千葉県内の公立中学校。染矢明日香さん(35)は3年生の生徒約80人に語りかけた。教員たちと相談し、保護者にも理解を得てコンドームや避妊薬の使い方も取り上げた。
中高生に向けた性教育の出前講座などを開くNPO法人「ピルコン」の企画。理事長を務める染矢さんが大学時代に活動を始め、2013年にNPO法人化した。メンバーは医療関係者や学生など約40人いる。
原点にあるのは染矢さんの学生時代の実体験だ。大学3年で思いがけず妊娠した。避妊していたつもりだったため、驚いた。就職活動を前に企業へのインターン活動などに注力し、将来はマーケティング関連の仕事に就きたいと考えていた。出産すれば学業や就活との両立は難しくなる。「思い描いていたキャリアや人生をすべてあきらめるべきか本当に悩んだ」。結局、交際していた男性や親と相談し、中絶を決めた。
「生理来ない」悩む若者 緊急避妊薬は入手しづらく
自分のような思いをする人が…