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 ふるさと納税の「返礼品競争」に、名古屋市が新年度から参入する。これまでは距離を置いてきたが、減収が続くことへの対抗策と、新型コロナウイルスで打撃を受ける市内企業への支援策として対応を迫られたことが背景にある。

 返礼品は、自治体が地元企業から地場産品を購入してあてるが、名古屋市は大幅に取り扱う品目を増やして、市内企業の売り上げを支えたい考え。総務省の基準に沿う品目を広く募集する。市幹部は「市内には食品、製造、サービス業など様々な業種がある。あらゆるメニューがそろうのではないか」と話す。新年度一般会計当初予算案に事業費1億円を盛り込む。

 名古屋市は、これまで返礼品目当てに寄付してもらう仕組みに否定的で、犬や猫の殺処分を防ぐための寄付など返礼品を伴わないメニューを中心としてきた。

 だが、2020年度は減収額86億円で、横浜市(145億円)に次いで多い見込みだ。17年度は33億円。本来なら納税される財源が「流出」し、年々増えていることが悩みの種だった。

 コロナ禍も加わり、市財政局が「少しでも市民の役に立つのであれば活用することにした」(担当者)と、返礼品の拡充へと方針転換することにした。

 ふるさと納税は、納税者が自分の住んでいない自治体に寄付をすると、寄付額の一定額が住民税などから控除される制度。貴重な自主財源になるため、寄付を呼び込みたい自治体間で返礼品競争が過熱し、19年に制度が改正されている。(関謙次)