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 今年の春闘をテーマにした経団連の会合が26日に始まり、2月以降の本格的な労使交渉に向けて幕が開いた。新型コロナウイルス禍で経済が打撃を受け、「官製春闘」とも呼ばれた昨年までの賃上げムードから一転、逆風が吹く状況。労使とも賃上げ維持を掲げてはいるものの、姿勢には早くも濃淡が表れている。

 経団連が、企業担当者らに春闘に臨む姿勢を説明した26日の労使フォーラム。来賓として講演した労働側の代表、連合の神津里季生(りきお)会長は「コロナ危機でも賃上げのモメンタム(勢い)をどう維持するかが最大のテーマだ」と述べ、早くも労使のさや当てが始まった。

 過去7年の春闘では、安倍政権がデフレ脱却に向けた消費活性化のため、経済界に賃上げを強く要請。経団連も企業に賃上げを呼びかけ、賃上げ率は7年連続で2%を超えた。しかし、今年は新型コロナで経済環境が一変。連合もゼロベースで検討したが、最終的には「賃上げの流れを続ける必要がある」として、賃金体系を底上げするベースアップ(ベア)目標を8年連続で2%程度と掲げた。

 政権もデフレ脱却に向けた賃上げの必要性は共有してきただけに、菅義偉首相は昨年12月の経済財政諮問会議で「賃上げの流れを継続して頂きたい」と言及。一方、前首相のように経団連に賃上げを直接要請する年末のセレモニーは見送る「配慮」もみせた。

 こうした政権への「配慮返し」もあり、経団連は春闘方針で「一律の賃上げは現実的ではない」としながらも、通信など好業績の業界は「ベアも選択肢」とすることで「賃上げのモメンタムの維持はぶれていない」(大橋徹二副会長)とする立場だ。

 とはいえ、賃金の引き上げは「基本的に各社の労使が決めること」(同)で、個別の交渉に委ねられているのが実態だ。中西宏明会長(日立製作所会長)は26日の冒頭あいさつ(入院中のため代読)で、「事業の継続と雇用維持を最優先に」と訴えた。(諏訪和仁、佐藤英彬)

賃上げ維持は共通も温度差

 ベア目標を掲げる連合も賃上げで一枚岩ではない。春闘方針には「それぞれの産業における最大限の『底上げ』に取り組む」と記すことで、傘下の労働組合が業界や個別企業の実情に応じて、要求内容に幅を持たせるように配慮した。

 実際、弱気の要求方針も目立ち…

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