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感染者の入院拒否に懲役、削除へ調整 野党の反対受け

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 新型コロナウイルス感染症に対応する感染症法の改正案について、与党は、感染者が入院措置を拒んだ場合に科せる懲役刑の導入を見送る方向で調整に入った。野党側が導入に強く反対しているためだ。特別措置法改正案も含めた与野党の修正協議は26日から始まっており、早期の法案成立に向けて、野党側の理解を得たい考えだ。

 22日に閣議決定された感染症法改正案では、入院拒否や入院先から逃亡した場合に「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」とする刑事罰を新設した。野党側はこの規定について、「懲役刑まで設けるのは容認できない」(立憲民主党枝野幸男代表)と特に問題視している。

 26日には衆院厚生労働、内閣両委員会の与野党の筆頭理事が国会内で二つの改正案について、約1時間協議した。対象となるのは、特措法では、緊急事態宣言前から罰則を科せる「まん延防止等重点措置」、営業時間の短縮などの命令に違反した場合の過料、事業者への財政支援の3項目。感染症法では、入院拒否などへの刑事罰と疫学調査拒否などへの刑事罰の2項目となっている。

 野党側は筆頭間協議で、「支援と罰則のバランスがとれていなければならない」「私権制限は抑制的にするように」などと修正を要求した。与党側はどのように対応できるか検討する方針を伝えたという。

 与党は29日の審議入りをめざしており、27日までに筆頭間で折り合いがつかなかった場合、幹事長会談を開くことも検討している。懲役刑の削除を譲歩案にしたい考えだ。与党内では、入院拒否の際の罰金を「100万円以下」から「50万円以下」に引き下げる案もとりざたされている。

 野党側は罰金を含めた刑事罰自体に厳しい姿勢を見せており、与党側の思惑通りに進むかは不透明だ。