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 脱炭素社会の切り札となるのか。山陰両県でも建設が相次ぐ風力発電だが、反対運動も起きている。背景を探った。(長崎緑子、清水優志)

 島根県地域政策課によると、県内では2020年3月、安来、出雲、江津、浜田、益田の5市と、隠岐の島、海士の2町で600~3千キロワットの風車計83基(20キロワット以下の小規模施設をのぞく)が設置されている。多くが民営だが、現在、江津市内で県企業局が9基、出雲市内で同市が2基を設置している。

 益田市匹見町の山間部では、「アジア風力発電」(東京)が新たに3200~4300キロワット級の風車最大15基を設置する計画を進めているが、市民グループや地元漁協が反対を続けている。19年11月に発足した「高津川の源流を護る会」は今月20日、事業の中止を求める2122人分の署名を山本浩章・益田市長に提出した。同会世話人の田原博さん(64)は「日本一の清流と呼ばれる高津川の源流で巨大な発電施設が建設されれば、野鳥やアユなど流域の生態系に大きな影響が及ぶ」と危惧する。土砂災害の頻発化や健康被害の危険性を挙げたうえで「地球環境をまもるための風力発電が、地域の環境を壊してしまう可能性があることを知って欲しい」と述べた。

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