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 わいせつ・セクハラ行為で懲戒処分となる教職員が相次ぐ千葉県教育委員会が、新たな対策を打ち出した。対策は年々強化されてきたが、有識者からは「形骸化」も指摘されていた。今回は教職員の意識改善だけでなく、「外部の目の強化」「子ども側の意識変革」なども含む総合的な内容になった。

 県教委では、これまで「不祥事防止対策委員会」で、実際に起きたわいせつ事案の分析や再発防止策を検討してきた。2015年度には、A4判4枚の「わいせつ・セクハラ防止リーフレット」を配布。教職員に「崇高な使命と、重い職責を深く自覚」するよう訴えた。

 しかし、わいせつ・セクハラで懲戒免職となる教職員は減ったとは言えない状況だ。15年度の6人から16年度に3人と減ったものの、17年度には9人となり、20年度(昨年12月時点)も6人と高止まりしている。

 こうした状況で、県教委が頼ったのが外部有識者だ。昨年8月、精神科医や大学教授、弁護士らを入れた「不祥事防止対策有識者会議」を設置。会議では、これまで県教委が実施してきた研修について、「結論が見えている部分もあり、形骸化していないか」「一方的に話を聞く方式は(本人の意識向上につながる)定着率が低い」などと指摘され、「報告・連絡・相談の形骸化」も議題に上がった。

 会議は昨年末までに4回開かれ、終了。県教委は、①研修の強化②(児童生徒の悩みを確実に把握する)相談体制の強化③外部との連携の強化――などの具体策を決めた。研修では、新たに有識者による講義動画を導入し、20~21年度に小中高校の教職員が計6回視聴するという。

 このほか、「不祥事を起こさせない」体制も強化する。更衣室やトイレの状況、カメラの物品管理などの「抜き打ち点検」を導入し、物理的・心理的な抑止力を狙う。児童生徒には、わいせつ行為にすぐ気づけるよう、「プライベートゾーン(水着で隠れる体の部位と唇)」を守る意識を周知。保護者には、子どもと教職員が直接SNSでやりとりをしていないか確認してもらう。

 県教委は今後も対策を更新していく考えだ。教職員課の増田武一郎主幹兼室長は「こつこつと継続的に対策を打っていきたい」と話す。(高室杏子)

有識者会議での主な意見

○抑止力の整備 「見られている」適度な緊張感は有効。保護者や学校評議員、地域の目を学校現場に入れる

○個別型研修 研修が形骸化していないか。個別型にし、1人でじっくり考える時間をつくる

○盗撮対策 ハイリスクなトイレ・更衣室は盗撮が不可能なシンプルな構造に

○児童の知識強化 小学1年から「プライベートゾーン(水着で隠れる部位など)」の意識を持つ

○対応スピード わいせつ事案を見聞きしたら30分以内に上司に報告する

県教委の主な対応

○研修の強化 すべての小中高校などで計6回実施(2020、21年度)

○ホームページ更新 県教委の不祥事対策サイトを見やすく(21年度から実施)

○子どもへの対応 プライベートゾーンの周知(20年12月から実施)

○物理的・心理的な抑止力の強化 教室や更衣室、トイレなどの施設、カメラなど備品の管理を強化(20年12月通知)

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