「麒麟がくる」考証家が静岡県に起こした「駿府城の変」

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斉藤勝寿
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 2月7日に最終回を迎えるNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」。時代考証を担当するのが、戦国研究の第一人者で、日本城郭協会理事長の小和田哲男さん(77)だ。ドラマの主役、明智光秀ではないが、小和田さんも「乱」を起こしたことがある。「本能寺の変」ならぬ「駿府城の変」だ。

おわだ・てつお 1944年静岡市生まれ。早稲田大学院修了後、静岡大教授。現在、同大名誉教授。武田氏研究会長。「戦国武将の叡智」など著書多数。NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」「麒麟がくる」などの時代考証を担当。

 小和田さんは早稲田大大学院を修了後、静岡大に就職。静岡は父親の出身地であり、自身が生まれた場所でもあった。

 助教授だった1982年のことだ。当時、静岡県は駿府城(静岡市)の敷地内に県立美術館を建設する計画を進めていた。発掘調査で建設予定地から今川館の遺構と思われる柱穴や井戸がみつかったのだ。調査委員の1人だった小和田さんは「戦国大名今川義元の館がどこにあったのかはなぞだったため、研究者としてはかなり興奮しました」。

無断で記者会見を開き、工事中止を訴え

 すぐに県側に「貴重な今川館かもしれないので、ここに美術館を建てることは中止してほしい」と要望したが、一助教授の意見など受け入れられるはずもなかった。発掘現場は塀でおおわれ、何が発掘されたのか、市民の目にふれることもなく、県教育委員会も発掘の事実を公表していなかった。

 どうするか。小和田さんは「県教委が公表しないので、一調査委員として遺構の概要を発表します」と、県側に無断で記者会見を開き、工事中止を訴えたのだ。「研究者として貴重な史跡が壊されるのを黙ってみているわけにいきませんでした」

 会見だけでなく、「駿府公園…

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