過失運転は「路面異常の可能性」 30代女性に無罪判決

倉富竜太
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 大分地裁(有賀貞博裁判長)は25日、車を運転していて対向車に衝突し、相手を死傷させたとして自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の罪に問われた県内の30代の女性に対し、無罪(求刑禁錮2年)を言い渡した。検察側はブレーキ操作が不的確だったなどと主張したが、地裁は「路面異常の可能性を排除できない」とした。地検は「内容を精査し、適切に対応する」とコメントした。

 判決によると、女性は2016年3月9日午後2時45分ごろ、大分県竹田市久住町の県道で軽乗用車を運転。制限速度が時速60キロの片側1車線の下り勾配で、カーブを曲がった後のほぼ直線の区間で対向車線にはみ出し、男性(当時81歳)の軽乗用車に衝突。男性が死亡し、同乗していた家族も重傷を負った。女性は任意で事情を聴かれ、在宅起訴されていた。

 検察側は、女性が時速60~70キロで走行し、的確にブレーキ操作できず、雨で湿った路面で対向車線にはみ出したと主張。弁護側は、車両の故障や路面の経年劣化が原因で、対向車線にはみ出た可能性がある、として無罪を主張していた。

 判決で有賀裁判長は、検察側は正面衝突を前提としていたが、実際は男性の車の右側前部と衝突しており、「時速40~50キロを超える速度であったとは認められない」と指摘。また、女性の車両が滑走し始めたと思われる地点の痕跡確認がされていなかったことも挙げ、「路面異常が滑走の原因となった可能性を排除できない」とした。(倉富竜太)