自主避難者は日本の評価を下げるのか 国の論理に仰天

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アナザーノート 大月規義編集委員

 東京電力福島第一原発の事故をめぐる裁判を取材していると、報道するのをためらいたくなる主張に出くわす。1月21日に東京高裁が判決を言い渡した損害賠償請求控訴審で国側が展開していた奇妙な論理もそうだった。裁判の勝ち負けも重要だが、プロセスから見えてくるものも大事に思える。

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 「正義にも人道にももとる主張でした。私たちに長期間の恐怖と実害を与えたうえ、開き直ったようでとても看過できませんでした」

 控訴審の判決を1週間後に控えた14日午後。原告の弁護士や原発避難者が勉強会を開いた。新型コロナ対策のため、出席者数が制約されるなか、原告の一人、丹治杉江さん(64)が裁判で受けた屈辱を語った。

 丹治さんは、避難指示が出なかった福島県いわき市から前橋市に避難した、いわゆる自主避難者だ。原発事故の避難者はピーク時に16万人いたが、その半数は国から強制避難指示を受けない地域に住んでいた。

 丹治さんらは、いったい国から何を言われたのか?

「容認できない」のはどちらだ

 原発事故の責任を認めて適正…

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