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 新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、加藤勝信官房長官は27日の会見で、接種の有無により、イベントの参加や店舗への入店、勤務条件などに差が出ることについて「適当ではない」との考えを示した。主催者や雇用主らが「接種証明」の提出を求めることも不適当とした。

 政府は早ければ2月下旬にも、医療従事者らを皮切りにワクチン接種を始める計画だ。接種は強制ではなく、国民一人ひとりが自ら判断して決めるものだが、接種を勧める「圧力」が職場で強まることや、接種が入店条件などになることへの懸念も出ている。

 政府が国会に提出した新型コロナ対応の特別措置法改正案には、感染者や医療従事者の差別防止に向け、国や自治体が啓発活動を行うことを「責務」とする規定が盛り込まれている。加藤氏は幅広い差別の防止が条文の理念と強調したが、ワクチン接種の有無による差別を明確に禁じる規定はない。

 加藤氏は会見で見解などを問われ、「接種の有無を公表させる、接種の有無により不利益な取り扱いが行われることは適切ではない」と述べた。

 差別への懸念については、立憲民主党の白真勲氏が27日の参院予算委員会で質問した。田村憲久厚生労働相は、過去の感染症法改正案の国会審議時の答弁を引き合いに「医療機関でワクチンを打たないと働けないことが起きれば差別になる。あるべきではないと答弁している」と語った。白氏が「政府が指針を作るべきだ」と訴えると、菅義偉首相は「わかりやすい広報が大事になってくる。これから対応していきたいと思う」と述べた。(菊地直己)