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集団接種会場の確保に悩み 新型コロナワクチン

新型コロナウイルス

長屋護、見崎浩一、荒海謙一
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 【福島】新型コロナウイルス対策で注目されるワクチン。2月下旬にも医療従事者から接種を始めるスケジュールを国が示した。準備期間の短さや情報の乏しさから混乱も予想される中、接種を担う自治体は準備に走り出している。

 「分かりやすい内容を速やかに示していただくよう再三お願いしている」

 内堀雅雄知事は25日の記者会見で、国への不満をのぞかせた。ワクチン供給などの情報が少ないためだ。一方で「なかなか示してもらえない現実がある」と、独自に情報を集め、医師会などと協力して市町村を支援する考えも示した。

 ワクチン接種を担う市町村は不安を抱える。

 いわき市は、想定される集団接種の会場確保に悩む。担当者は「『密』回避と、接種後の待機場所を確保するため、体育館などなるべく大きな会場を使いたいが、土日を中心に年間予約が入っている。予約している団体に変更をお願いすると、事実上の開催中止になってしまう」と話す。

 場合によっては簡易ベッドも置くため、とにかく広いスペースが必要だという。「民間施設を借りれば資金の負担がかかる。十分な広さがある公民館はなかなかない」

 ワクチンの冷凍保管もやっかいだ。冷凍庫は国から配備されるが、どこに置くか。「小分け」する際の運搬はどうするか。「病院負担が大きくなるので、市がサポートすることは決めているのだが……」と話す。

 先行接種する医療従事者を除く市民31万人への接種を想定(16歳以下と妊産婦は未定)する郡山市。「取り残される人が一人もいないようにしたい」と品川万里市長。今月から接種券の印刷などを始め、2月からは問い合わせ窓口になるコールセンターを設ける。

 市の計画などによると、国から配備される冷凍庫は当初3台の見通しで、まず3カ所の接種会場を準備する。うち2カ所は二つの市発熱外来診療所を想定している。市内では発熱外来患者に対応できるクリニックが増え、市発熱外来診療所の利用は減っていた。

 しかも、市医師会から当番医が連日派遣されるため、そのまま接種に対応してもらえば「医師確保」の負担は少なくなると見ている。残る1カ所は平日に休日・夜間急病センターを開けて対応するという。

 春以降には冷凍庫が増える見込みのため、体育館など市有施設も接種会場とする方針だが、会場が増えれば医師や看護師ら医療従事者の確保がさらに必要になるとして、郡山医師会などと協議を進めている。

 一方、会津坂下町や三島町など河沼、大沼両郡の7町村は、連携して接種を行うことを決めた。7町村の住民は約4万4千人。少ない医療機関を広域で補完する試みで、居住地以外でも7町村内で接種できる。これまでもインフルエンザなどの予防接種を一緒に実施してきた実績があり、それを生かす。

 集団接種は設備や医師ら人材確保の問題があり、個別の医療機関で接種する案が有力という。会津坂下町の担当者は「医療機関と調整中だが、国のスケジュールに合わせて実施したい」と話している。(長屋護、見崎浩一、荒海謙一)

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