忖度なしの五輪懐疑論 「パウンド詣で」が活況なわけ

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編集委員・稲垣康介
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 コロナ禍で東京五輪の行方に暗雲が垂れ込めるなか、世界のマスコミが、こぞってコメントを求める人物がいる。カナダ出身で、国際オリンピック委員会(IOC)の最古参委員、78歳のディック・パウンド氏だ。

パウンド氏を通して浮かぶのは、IOCのバッハ会長の人柄。過去に五輪8大会を現地取材している稲垣康介編集委員がポッドキャストで解説します。

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 私も助けられてきた。弁護士なので、論旨は明快。歯にきぬ着せぬ発言は記事の切れ味を増してくれる。

 今月7日、英BBC(電子版)が、東京五輪の開催には「確信が持てない」というパウンド氏の発言を載せた。これを口火に懐疑論が世界を駆け巡り始めた。

 まるでデジャブだ。昨年2月、パウンド氏が開催是非の判断は引き延ばせて「5月下旬」とAP通信に答えたことが、開催危機論の呼び水となった。その約1カ月後、異例の1年延期が決まった。

 また号砲が鳴ったのか。

 IOC最古参の重鎮が、バッハ会長の意をくんで観測気球を上げているように映るかもしれないが、バッハ会長の側近らに聞く限り、そうではない。今回のBBC報道の直後、IOCはパウンド氏の発言について「IOCの見解とは違う」との声明を全委員に送っている。

 むしろ、バッハ会長とパウンド氏の確執は根深い。

 ロシアの国家ぐるみのドーピ…

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