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 起業率が全国で最低水準の新潟県内で、産学連携で起業支援や人材育成に乗り出す試みが始まった。コロナ禍を機に新潟市にも本社を置いたソフトウェア開発会社「フラー」と、新潟大、大手通信会社KDDI(東京都)が連携、米シリコンバレーのように起業家を継続的に生み出し続ける「エコシステム(生態系)」の確立を目指す。

 7日、連携契約を結んだ3者が記者会見を開き発表した。

 フラーの渋谷修太会長は、長岡高専から筑波大に編入、同大卒業後の2011年にフラーを創業。スマホアプリの開発などで業績を伸ばしていた。コロナ禍の昨秋、千葉県の本社に加え、新潟市にも本社を設置した「2本社体制」に。新潟発のベンチャー企業として、県内の大学や高専などで社員が講義を開くなど起業家の育成に取り組んできた。

 新潟大との連携では、KDDIの高速通信規格「5G」を学内に整備する。起業家の講演会や起業を目指す学生同士の交流会などを開催している「ベンチャリング・ラボ」を通じ、「先輩」起業家との遠隔での交流を加速させることなどを検討している。ラボを立ち上げた同大経済科学部の伊藤龍史准教授は「起業を志す若者は新潟でも増えている。人のつながりを根付かせたい」と期待する。

 人材育成の他にも地元企業のデジタル化にも取り組む。アプリ開発などで実績のあるフラーが、5Gなどの最新技術を生かし支援をする。

 KDDIの松野茂樹・経営戦略本部副本部長は「(新潟に多い)ものづくりの企業では、業務の効率化が最重要課題。AI(人工知能)や通信も生かした取り組みができるのではないか」と意義を強調する。KDDIはフラーへの出資だけでなく、今後は新潟発の新たな起業家への出資にも乗り出す意向だ。

 フラーの渋谷会長は「新潟での起業を面白く、ホットなものにしたい」と意気込む。(高橋俊成)

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