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 新型コロナウイルスのワクチンについて、英製薬大手のアストラゼネカが最大9千万回分を日本国内で生産する方針だとわかった。今春にも出荷の準備が整う見込みという。ワクチンの供給に限りがあり各国で争奪戦となるなか、多くを国内生産することで安定供給を目指す方針という。

 同社は日本政府と1億2千万回分の供給で契約している。関係者によると、このうち3千万回分は3月までに輸入される予定。残りの9千万回分は日本国内での生産を目指すという。ワクチンの原液はJCRファーマ(兵庫)がつくり、容器への充塡(じゅうてん)などの製品化は第一三共(東京)やKMバイオロジクス(熊本)などが担う。

 ワクチンはアストラゼネカと英オックスフォード大が共同開発した。英国では昨年12月に承認され、今年1月には接種も始まった。臨床試験(治験)では、発症を防ぐ効果は平均70%と報告されている。日本でも、昨年8月末から256人を対象に治験を実施。アストラゼネカは近く、厚生労働省に製造販売の承認を申請する方針だ。

 日本政府は、米ファイザーや米モデルナともワクチンの供給契約を結んでいる。ファイザーのワクチンは零下70度、モデルナは零下20度での保存が必要だ。一方で、アストラゼネカのワクチンは通常の冷蔵庫と同程度の2~8度で保存でき、接種を大規模に広めやすいとされている。(江口英佑)