千葉県、虐待死情報を原則公表へ 批判相次ぎ方針転換

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古賀大己
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 千葉県野田市の小学4年、栗原心愛さん(当時10)の虐待死事件にからみ、新たに発生した虐待死事件の情報を一切非公表としていた県は、原則公表する方針に改めた。個人情報保護を理由に非公表とした姿勢に批判が相次いだためで、県は「適切ではなかった」としている。

 方針を変えた理由について、県は「児童虐待事件は社会的関心が高く、報道されることで、県民の意識が高まり、児童虐待の予防発見につながることが期待される」「個人情報の取り扱いは公益性の観点からも検討しなければならない」としている。

 新たな方針は、虐待の被害者が死亡した場合、「事実経過、児童相談所の関与の状況を公表する」。ただ、被害者の兄弟姉妹などの関係者の情報や、死者の名誉やプライバシー、被害者が関わった医師や医療機関の名前、虐待通告元には配慮する、とした。被害者が生存している場合は、県個人情報保護条例で保護の対象となるため、これまでと同様に「原則公表しない」とした。

 県児童家庭課の尾関範子課長は「個々のケースで配慮する情報があると思うが、死者の情報は極力出す方針だ」と話した。

 県は2019年1月に起きた心愛さんの虐待死事件後、新たな虐待死事件の情報は、県個人情報保護条例を理由に、児童相談所の関与を含め一切非公表とする方針を決定。県児童家庭課は野田市の事件について「情報を出し過ぎた」との見解を示していた。

 昨年6月、市原市の生後10カ月の小西紗花(すずか)ちゃんが死亡し、母親が逮捕される事件が発生した際、県は一切情報を公表せず、市原市へも非公表とするよう助言し、市原市も同調。抗議が殺到し、森田健作知事が「丁寧に説明するよう」指示し、今回の方針転換に至った。

 ただ、心愛さんを診察した医師が、父親からの性的虐待の疑いがあり、「家族の同居は困難」と指摘していたにもかかわらず、県柏児相が父親の親族宅へ帰したことが報道機関の調査で明らかになった。この事実について、県は「(死者の名誉に配慮し)事実を追認することはよくなかった」とする立場は崩していない。

 医師の指摘を踏まえずに心愛さんを親族宅へ帰したことについては、事件を検証した県の第3者委員会が「危機意識が不足していた」と結論づけるなど強い批判を受けていた。(古賀大己)

千葉県の基本的な考え方…

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