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 支持者を扇動して、米連邦議会議事堂を襲撃させたとして、弾劾(だんがい)訴追されたトランプ前大統領が、上院の弾劾裁判で無罪となる可能性が高まっている。上院では26日、「弾劾裁判は違憲」とする動議について、5人を除く共和党議員が賛成した。動議は否決されたが、トランプ氏を有罪とするためには少なくとも17人の共和党議員が賛同する必要があるため、情勢は困難だ。

 上院(定数100)は現在、民主党50、共和党50の同数で、弾劾についての共和党内の対応は割れている。この日は同党のポール議員が、大統領職を退いたトランプ氏が「私人である」として、弾劾裁判の対象にならないという動議を提出したところ、ロムニー議員ら5人が反対したが、残りの45人は賛成した。民主党は全員が反対し、動議は45対55で否決された。

 今回の動議は手続きが問われており、トランプ氏に事件の責任があるかどうかは、別の判断だ。しかし、有罪とするためには、出席議員の3分の2以上の賛成が必要だ。採決が同じ状況となれば、トランプ氏は無罪となる。

 共和党内でも、事件に関してトランプ氏の責任を問う声は強いが、多くの議員は「有罪」とした場合、トランプ氏やその支持者からの反発を恐れている。ウォールストリート・ジャーナルによると、トランプ氏は側近らと「愛国者党」の結成について協議しており、分裂を懸念する共和党側を牽制(けんせい)する動きとなっている。トランプ氏は25日には、邸宅のあるフロリダ州に事務所を開設。事務所は声明で、今後の政治活動の拠点となる考えを示した。(ワシントン=園田耕司)