コロナの増殖抑える物質を発見「治療薬の有望な候補」 

松浦祐子
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 国立国際医療研究センターなどのチームが、新型コロナウイルスの増殖を妨げる二つの化合物(小分子化合物)を見つけたと発表した。試験管の実験では毒性も少なく、既存の薬をあわせて使うことでより高い効果が示されたという。

 チームは同じコロナウイルスであるSARS(重症急性呼吸器症候群)の原因ウイルスに対し、たんぱく質を分解する酵素「プロテアーゼ」のはたらきを阻害する化合物の有効性が示されていたことに着目。同じようなはたらきをする化合物を人工的に約400種類つくった。新型コロナウイルスに感染させた細胞に注入し、ウイルスの増え方を調べた。

 その結果、二つについてウイルスの増殖を抑える高い効果がみられ、「GRL1720」「GRL2420(5h)」と名付けた。2420は新型コロナの治療薬として使われているレムデシビルとあわせて使うことで、ウイルスの増殖が使用前に比べて1億分の1まで減るなど、ほぼ完全に抑えることができたという。

 同センター研究所の満屋裕明所長は「新型コロナの根本的な治療薬がまだない中で、有望な候補物質が見つかった」と話す。今後、新薬開発を目指し、動物実験などの研究を進めていくとしている。

 英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに28日、論文が掲載される。論文はhttps://doi.org/10.1038/s41467-021-20900-6別ウインドウで開きますから読める。(松浦祐子)