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 群馬・長野県境の約350万年前の地層からホタルの化石が見つかったと、群馬県下仁田町自然史館が28日発表した。同館によると、ホタルの化石発見は国内では初めて。世界でも7種しか確認されていないという。

 化石のホタルは体長1・1センチのオス。仰向け状態になっていた。交尾器の形状などから、国内に約50種が現存するホタルのうち、ムネクリイロボタルの近縁と断定した。

 発見者は下仁田町の教員だった当時に化石の収集を始めた故・茂木伊一(もてきいいち)氏。茂木氏が残した記録から、長野県境の兜岩(かぶといわ)山の標高1100メートル付近にあった火口湖の地層で見つけたとわかった。約5キロ四方の一帯は植物・昆虫化石の出土で知られるという。

 茂木氏が約40年かけて収集したトンボやハエなどの化石250点の中に含まれていた。2010年9月に茂木氏が亡くなった後、遺族から11年に収集品の寄贈を受けた自然史館が16年に研究会をつくり、調べていた。

 研究会の中心メンバーで元中学教員の田中敏明さん(66)=横浜市栄区=は取材に「昆虫は死後、食べられたり腐敗したりするので化石として残るのは非常にまれ」と話した。自然史館の中村由克館長(地質学)は「昆虫が湖底で火山灰に包まれて厚い層になり、その上に流れ込んだ溶岩で守られ、きれいな形で残った」と推測している。

 世界最古のホタル化石は、ミャンマーで発見された約9900万年前のものという。(野口拓朗)