関西人は現金チャージが嫌?鉄道各社が導入する新改札機

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神山純一
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 関西の鉄道各社がICカード以外で決済する新しい改札機の導入実験を進めている。ICカードの普及がいまひとつ進まず、格安店で買う人も含めて切符の利用者がまだ多いのが関西の特徴。コロナ禍で業績の悪化に見舞われ、切符にかかる維持コストを減らしたい思惑が背景にある。

 南海電鉄がこの春から設置するのは、クレジットカード「Visa」のタッチ決済機能付きの改札機。国内初の試みで、難波や和歌山市など約10駅に設置する予定だ。タッチ決済への対応を示す4本の曲線のマークがついたカードなら、普段使っているもので改札が通過でき、運賃は後払いで引き落とされる。

 同社の改札機のうち、IC専用機は2割弱(75台)で、ほかは切符が入る磁気読み取り式との併用だ。このタイプは投入された切符をベルトとローラーで運びながら向きを整えたり、穴をあけたりする複雑な構造を持つ。切符が詰まるトラブルも避けられず、維持費が高くつく。タッチ式の改札を増やせば「切符の券売機も減らせ、コスト削減効果が大きい」(鉄道営業本部の担当者)との狙いだ。

 クレジット決済を試すのは、南海が関西空港から大阪都心部へ向かう路線を持ち、国内で普及するICカードを持たない訪日客の利用も多いため。コロナ禍で足元では大幅に減ってはいるものの、将来の駅員の負担軽減にもつながる。

 海外では、鉄道やバスでのクレジットカード利用が先に普及する。ビザ・ワールドワイド・ジャパンによると、2010年ごろから欧米、シンガポールや台湾などアジアでも利用が進み、20年までに約280の公共交通機関で導入されているという。

 ほかの鉄道各社も様々な方法を模索している。阪神電鉄は昨年3月から、大阪梅田駅や西宮駅などにQRコードを読み取る改札機を設置し、スマートフォンに表示したQRコードの「乗車券」で入場してもらう実験を続けている。大阪メトロも顔認証の改札機を社員を対象に実証中で、大阪・関西万博前の25年3月末までのサービス開始をめざす。無人駅が多い京都丹後鉄道では、すでに昨年11月から、改札機の代わりにVisaのタッチ端末を駅の改札口や列車に置いている。

なぜ関西ではICカードの普及が進まないのか。後半では、識者の見方のほか、格安切符の販売事情を紹介します。

 背景には、ICカードの普及…

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