明智光秀の「丹波攻略」を能に 赤鬼、赤井直正らが登場

横山健彦
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 戦国武将明智光秀の「丹波攻略」を題材にした能の制作が進められている。今秋の初演をめざす。旧丹波国だった京都府福知山市兵庫県丹波市の両市民らも協力し、PR動画を撮影中。地域を巻き込んだ取り組みにつながっている。

 新作能を企画、執筆するのは、丹波市氷上町の能楽師、上田敦史さん(47)。能楽大倉流小鼓方で、6年ほど前に大阪府内から移住した。丹波能楽振興会総監督として、伝統芸能の魅力を広める活動もしている。

 新型コロナウイルスが終息した後、多くの人に旧丹波国を訪れてもらおうと、丹波攻略を舞台にした司馬遼太郎の小説「貂(てん)の皮」を題材にした。光秀が攻略にてこずった黒井城(丹波市)の城主で、「丹波の赤鬼」と恐れられた赤井直正らが登場する。上田さんは「能にあまり興味のない人にも見てもらえるよう、現代感覚に合った演目にしたい」と話す。

 旧丹波国は、能楽のルーツの一つとされる「丹波猿楽」が栄えた地域。「もともと丹波にあったものを引き出したい」と、丹波福知山手づくり甲冑(かっちゅう)隊や黒井城跡地域活性化委員会(丹波市)に協力を求め、新作能のPR動画も作っている。

 20日には、光秀が築いた福知山城で合戦シーンを撮影。笛や小鼓、大鼓の音とともに、光秀軍に扮した甲冑隊と直正軍の活性化委のメンバーが、刀や長刀を使って能の斬り合い「斬組(きりくみ)」を演じた。今後、黒井城でも撮影を計画しており、5分ほどに編集した後、動画投稿サイト「ユーチューブ」などで公開する。

 新作能はプロの能楽師能楽堂で演じ、各地のホールなどでは甲冑隊らによる「斬組」も披露してもらう予定。甲冑隊隊長の寺本吉勝さん(72)は「能楽独特の動きは難しかった。今後もできる限り地元を盛り上げたい」と意気込む。直正役を務める活性化委の塚本文則さん(66)は「丹波市のヒーローだけにかっこよく演じたい」と話した。(横山健彦)