イノシシによる負傷者が続出 少雪→少雪→大雪のせい?

小川聡仁
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 新潟県内でイノシシに襲われる人身被害が相次いでいる。28日にも上越市で1人が負傷するなど、今年度の負傷者は過去10年で最多の8人に上る。専門家は昨季までの暖冬から一転して大雪となったことが関係しているとみている。

 28日午前7時45分ごろ、上越市向橋の歩道で、70代男性が尻2カ所をかまれ、軽傷を負った。上越署によると、体長1メートルほどのイノシシが男性の前方から走ってきて、かみついたという。現場はJR上越妙高駅から北西約2キロの集落。イノシシは北西の金谷山の方向に逃げたとみられる。

 県鳥獣被害対策支援センターによると、今年度のイノシシによる負傷者は計8人。12月2人、1月6人で、糸魚川や柏崎などで被害が出ている。過去10年の負傷者は、2017年度の3人、12年度の2人のみ。いずれの年も大雪だった。

 負傷者が相次ぐ理由について、鳥獣害被害に詳しい長岡技術科学大の山本麻希准教授(49)は「ここ2年の暖冬で数が増えたうえに、積雪でエサを十分にとれない個体が人里に出てきているのでは」と指摘する。昨季もその前も少雪のため、イノシシは冬場でも地中のヤマイモやクズの根を掘り出して食べることができ、飢えずに個体数が増加。大雪となった今季は、山沿いを中心に雪が多く積もったため、エサを求めて除雪された市街地に出るようになったとみる。

 同センターによると、イノシシは本来臆病な性格だが、人と遭遇してパニックになると、突進したりかみついたりするという。近づかず、エサとなるものを屋外に放置しないよう呼びかけている。(小川聡仁)