バイデン政権、「対中」で日本と足並み FOIP継承

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北見英城、ワシントン=大島隆
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 台頭する中国をにらんで日本が提唱し、米国のトランプ前政権が採用した日米共通の外交方針「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」が、バイデン新政権でも引き継がれることになった。米国の日本防衛義務を定めた日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用とあわせ、日米が「対中」で足並みをそろえる形となった。

 28日未明、菅義偉首相バイデン米大統領との電話協議後、日本政府高官は「こちらが投げた球は全部返してくれた」と語った。米国の「核の傘」を含む拡大抑止の提供など、日本側が確認したかった内容を網羅する協議となった。

 焦点の一つがFOIPの行方だった。法の支配といった価値を共有する国々と、経済連携を深めながら地域の安定を図る構想。安倍政権が2016年に提唱し、翌年発足したトランプ前政権が採用した。この理念のもと日米豪印(QUAD)の防衛協力も進んだ。

 日本政府は「トランプ色」を嫌う新政権が、FOIPの文言を変更するのではないかと懸念していた。バイデン氏側は昨年11月、大統領選を受けた菅氏との電話協議でも、発表文で「繁栄し、安全な(prosperous and secure)インド太平洋」と表現していた。

 FOIPを継承するよう、日本政府はバイデン氏側に働きかけてきた。「自由で開かれた」という価値の部分は、中国に対峙(たいじ)するうえで欠かせない肝で、「繁栄」や「安全」に変われば、対中牽制(けんせい)の意味合いが薄れかねないからだ。

 外務省幹部によると「FOIPはトランプ政権ではなく日本発の概念だ」「豪州東南アジア諸国連合(ASEAN)、欧州にも支持が広がっている」などと説得を重ねてきた。

 その結果、今回は米側の発表にも「自由で開かれた(free and open)インド太平洋」と盛り込まれ、FOIPの実現に向けた日米の連携を再確認した。複数の同席者によると、バイデン氏も自らFOIPに言及。QUADの推進に対する日本の貢献にも高い評価を示した。

尖閣への5条適用、4回確認

 またバイデン氏は就任を前にした昨年11月の協議に続き、尖閣への5条適用を明言した。5条適用は、14年に当時のオバマ大統領米国大統領として初めて明言。トランプ政権に続き、バイデン政権でも同様の方針が踏襲される。

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