菅首相、就任以来最も遅い「始動」 日課の散歩を見送り

小野太郎
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 菅義偉首相は29日、東京・赤坂の衆院議員宿舎を出て、午前8時24分に首相官邸に入った。昨年9月の就任以来、平日では最も遅い「始動」。風邪気味の体調を配慮し、日課としている官邸の敷地内の散歩を見送った。首相周辺は「のどのケアの一環で、朝の冷たい空気を吸うのはあまりよくない」と説明した。

 「おはようございます」。首相は官邸に入ると、報道陣があいさつの言葉を投げかけたのに対し、軽く頭を下げながら2度、繰り返した。

 首相は就任後、午前6時台から官邸の敷地内を散歩し、7時半ごろから近くのホテルで各界の専門家や政治家らと朝食をとる生活を続けてきた。安倍晋三前首相が10時前の「出勤」が多かったのに比べ、朝型の仕事ぶりが目立った。

 ただ、新型コロナウイルスの感染拡大で東京都などが緊急事態宣言の期間に入った8日以降、首相は外部との朝食会を封印。それでも平日は7時台に官邸に赴き、敷地内の散歩を日課にしてきた。

 28日までの4日間は「特異日」だった。衆参両院の予算委員会で今年度の第3次補正予算の審議があった。午前6時台に官邸に入り、散歩をせずに質疑の準備にいそしんだ。日中は連日、7時間ほどの審議に出席。特に初日はかすれ声がひどかったため、野党議員に健康状態を問われ、「のどが痛くて声が出ないだけで、至って大丈夫」などと語ったこともあった。

 なかでも、午前0時45分ごろからバイデン米大統領との約30分間の電話協議を行った28日は多忙を極めた。電話協議を終えて帰宅した後、官邸に姿をみせたのはその5時間後。日中は補正予算の審議に追われた。午後9時ごろに参院本会議で成立したのを見届け、議員宿舎に戻った。(小野太郎)