「怒りこらえて、心だけ燃やす」 主将になった鈴木誠也

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藤田絢子、辻健治
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 プロ野球12球団は2月1日、一斉にキャンプインを迎える。広島は2018年までのリーグ3連覇から一転、19、20年は2年連続でBクラスに沈んだ。このまま低迷してしまうのか。浮上の鍵を握る1人が鈴木誠也(26)だ。新たに野手の主将に就き、巻き返しのシーズンへと臨む。

球団初の偉業も「情けない」

 1月25日、鈴木誠はマツダスタジアムの屋内練習場で自主トレーニングを公開した後、報道陣の取材に応じた。主将就任について改めて問われ、言った。「やりたくないです。自分は向いていない。ただ、ユニホームに『C』マークが付くので、それをさっそうと家に持って帰って飾りたいです。もう(この先)二度とない」

 おどけるのも鈴木誠らしい。だが、主将の肩書を背負うことになったのは、この背番号「1」が真っすぐに野球に対して向き合ってきたからだ。

 昨年12月、契約更改後の記者会見でもその一端は垣間見えた。鈴木誠は昨季、5年連続での打率3割を記録した。球団では初の「偉業」だが、その到達の仕方に納得がいっていない。チーム119試合目だった11月10日、第1打席から3安打して打率をちょうど3割に乗せたところで、退いた。翌11日の最終戦は欠場した。「最後の試合に出ていない。調整したみたいな感じ。情けない」。会見では自身への不満を隠さなかった。

 球界を代表する打者になっても、試合後に練習場にこもってから帰る日が珍しくない。時にそれは2時間を超す。「自分が本塁打を打っても、チームが負けるとイラッとするから、おさまるまでは帰らない。そのうち球場で寝泊まりしだすかもしれません」。「猛練習の広島」の申し子のように育ち、いまもなお練習の虫だ。

 今季で高卒9年目。中堅となり、助言を求められるシーンが目立つ。1年前のオフは先輩の堂林翔太(29)の求めに応じて一緒に自主トレを行い、その復活に一役買った。今年1月の沖縄での自主トレでは、堂林に加え、新人王右腕の森下暢仁(まさと)(23)らも参加した。

 「この選手がよくなったら自分が抜かされちゃうという意識は全くない。打率が3割に乗ったり、本塁打が20本以上打てたりという喜びを味わってもらいたい。自分が伝えられる範囲で伝えて、みんなで頑張りたい気持ちが強い」

新井さんに言われたこと

 打てなければ打席で悔しい表情を浮かべる。感情をむき出しにチームを鼓舞する姿は魅力だが、本人には葛藤もある。

 「チーム的に若い子がやる分…

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