ワクチン届かぬパレスチナ 世界最速イスラエルの責任は

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エルサレム=高野遼
【動画】コロナ禍で二重苦、ガザ地区のいま=2020年12月、高野遼撮影
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 中東イスラエルが世界をリードするペースで国民への新型コロナウイルスのワクチン接種を進めているのに対し、占領下にあるパレスチナでは接種が始まっていない。ワクチン供給の「格差」をめぐり、国連などでも議論となっている。

 国連安全保障理事会の会合で1月26日、論戦が繰り広げられた。パレスチナ自治政府のマリキ外相は「占領権力(イスラエル)は、占領下にあるパレスチナ人にワクチンを提供していない」と批判。続いて演説したイスラエルのエルダン国連大使は「パレスチナによる誤った、ばかげた非難だ」と反論した。

 イスラエルは12月19日に接種を始め、約310万人に1回目のワクチン接種を終えた。人口の3割に達するペースは世界最速とされる。一方、パレスチナ自治政府は近くロシア製のワクチンをまず入手する見込みとなっている。

 ジュネーブ条約によれば、占領国は「占領地における医療や公衆衛生を確保し、維持する義務を負う。特に、伝染病の流行を防止するため必要な予防措置を実施しなければならない」とされている。これがパレスチナ側が批判する根拠の一つだ。人権団体などからは人道上の観点からパレスチナへのワクチン提供を求める声も上がっている。

 一方、イスラエルパレスチナが共存を目指して1993年に締結したオスロ合意では「保健分野における責任はパレスチナ側に移管する」と定められており、イスラエル側にはワクチン提供の法的義務はないとの主張もある。

 イスラエルは、パレスチナ自…

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