打ち破った前例踏襲主義 霞が関のミスター復興に聞く

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編集委員・石橋英昭、渡辺洋介
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 総務省の官僚だった岡本全勝さん(66)は、東日本大震災直後から政府の被災者支援策をとりまとめ、復興庁で事務次官を務めるなど、この10年近くずっと被災地にかかわってきた。昨年9月に退任した霞が関の「ミスター復興」に聞いた。

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 ――今回の復興政策の特徴はなんでしょう。

 「国土の復旧」から「暮らしの再建」へと、政府の災害対応の守備範囲を大きく広げたこと。行政哲学の大転換だった。

 以前から公共インフラの復旧は行政が責任を持ってやってきた。今回の震災では、元に戻す復旧だけでなく、街の高台移転や機能向上といった復興まで、国費投入の対象にした。

 さらに、従来は企業・事業主の責任だった産業となりわいの再生についても、中小企業の施設・設備復旧に初めて補助(グループ補助金)を出し、仮設の工場や商店を無償提供した。同様に、これまで国の守備範囲ではなかったコミュニティー再建も、仮設住宅での孤立防止や町内会立ち上げなどを支援。手法もソフトな支援に広がり、企業やNPOとの協働が数多くとりいれられた。

「官僚の存在意義が問われる戦い」部下たちを鼓舞

 ――官僚の世界は前例踏襲主義です。どうやって打ち破れたのですか。

 政府の復興構想会議が201…

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