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 ラッシュの時だけ一部の座席が天井付近まで上がり、追加の扉を開け閉めすることで知られる京阪の通勤電車「5000系」。29日、この珍しい運用が見納めになった。車両自体はしばらく運行を続けるが、6月ごろには引退する予定だ。

 5000系は1970年、輸送力を高めるために誕生した。片側5扉のうち、二つの扉に昇降する座席が備わっていて、乗務員がスイッチで上げ下げする。ラッシュ時に扉が増えるため、乗降にかかる時間が短く、混雑緩和に役立ってきた。

 しかし、2021年度内に京橋駅に整備される予定のホームドアと扉の位置が合わないため、引退が決まった。現在、4編成計28両が走っているが、6月ごろまでに順番に新型車両と入れ替えていく。

 京阪電鉄広報部の野上薫課長は「日本の高度経済成長を担った人気のある電車がなくなるのは寂しいが、より安全性や快適性を高めた新たな通勤車両によるサービスを提供したい」と話す。(鈴木智之)

【動画】京阪電車の「降ってくる座席」。年明けから姿を消していくことになった=京阪電鉄提供