給料泥棒・遺棄…千葉のこども病院でパワハラ、労災認定

滝沢卓
[PR]

 千葉県こども病院(千葉市)で働いていた県の嘱託職員だった50代女性が適応障害などを発症したのは、上司らのパワーハラスメントが原因だったとして、千葉労働基準監督署労働災害と認定した。代理人弁護士が29日、公表した。

 弁護士によると、女性は2017年、職員対象の検査で採血された時、注射針で左手首の神経を損傷する被害にあい、指が動かなくなった。通院で数日休みをとった後、同僚から無視されたり「辞めればいい」と言われたりした。その後は上司らも加わり、被害がエスカレート。「いつも病院に行く人がいて困っている」「給料泥棒」「予算ないし、(女性を)遺棄」といった暴言を見聞きするようになったという。

 女性はその後、適応障害などと診断されて19年2月に休職を余儀なくされ、翌3月に契約満了で雇い止めにあった。19年11月に労災申請していた。暴言の多くを録音して記録に残していたという。労災認定は20年9月。

 代理人でパワハラ問題に詳しい笠置裕亮弁護士によると、うつ病など精神障害の労災認定基準に昨年、「パワハラ」が明記され、この改定の前後を中心に労基署の調査も進んだといい、「労災認定に影響したはずだ」という。また、「民間企業の模範となるべき公務職場で、小学生のようなイジメがずっと放置されていた。非正規職員の立場の弱さも表れている」と指摘した。

 千葉県病院局は取材に「詳細は把握していないが元職員が労災認定されたことは申し訳なく思っています。こうしたことが二度と起きないよう再発防止に取り組みます」とコメントした。(滝沢卓)