長崎の大崎、島から甲子園へ 部員5人のピンチ越えて

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(29日、選抜高校野球出場校発表)

 長崎県西部の島の学校が、ついに甲子園にたどり着いた。創部1960年4月。大崎の主将、秋山章一郎(2年)は「地元の人たちと3年生を甲子園に連れて行けるのがうれしい。出るからには勝ちたい」と、ほおを緩めた。3年生1人を除き、大多数の選手が島の外からやって来たチームだが、「がんばってね」といった島の人たちの声かけが本当に力になってきたという。

 学校所在地の大島、合宿所があり橋でつながる隣島の崎戸両地区の人口は計6200人ほど。清峰のコーチ、佐世保実の監督で甲子園に出場した清水央彦(あきひこ)監督(49)が2017年夏、当初コーチになる前、部員は5人だった。監督に就任した18年、今の3年生20人が入部。西海市や後援会の支援を受けて合宿生活を送れる体制が整い、少子高齢化が進む島の光りとなるチームの再生劇が始まった。

 「みんな覚悟を持ってきてくれた。覚悟の塊。こつこつと激しく鍛えてきました。地域にも応援されて苦労はなかったです」と清水監督。19年秋には58年ぶりに県大会を制し、昨夏は県独自大会で優勝した。

 コロナ禍でなければ全国の舞台を踏めていた3年生。だから先輩たちを甲子園に連れて行きたい――。そんな思いがバネの一つになり、昨秋、九地区大会で優勝。公立校が秋季を制するのは11年ぶりだった。エース坂本安司(あんじ)(2年)を中心に失点しても2点と引き締まった試合運びを見せた。

 「自分のことのようにうれしい」と、前主将の坂口航大(こうだい)(3年)。清水監督も「3年生が積み上げてくれたものに1、2年生が足してくれた」と感慨深げだった。