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 ネット掲示板でつながった素人投資家たちが、狙い撃ちした銘柄に群がって株価の異常な乱高下をもたらし、米ウォール街のプロたちを追い詰めている。政府の直接給付で余ったお金、投資に使える時間、富裕層だけが豊かになっていく現実への反発――。一連の投機騒動は、コロナ不況下で株価だけが高騰する米国経済のゆがみも映し出す。

拡大する写真・図版ゲームストップの店舗=1月28日、米ニューヨーク、江渕崇撮影

 レイモンド・ジェラルドさん(27)は今月、ネット掲示板「レディット」上で個人投資家が集まるフォーラム「ウォールストリートベッツ」の存在を友人に教わった。米ゲーム販売店・ゲームストップ株の下落によるもうけを狙い、ヘッジファンドなどが大がかりな空売りを仕掛けていることを、そこで知った。「市場での力を悪用し、道徳的に誤っている」と思った。

 みんなで株を買って値をつり上げれば、ヘッジファンドを懲らしめることができるのでは――。最初は冗談のように見えたが、掲示板の書き込みは真剣さを増していく。「よし、やろう」。ジェラルドさんらは、ゲームストップ株の買いに走った。

 今月上旬は20ドル(約2100円)に満たなかった同社株だが、月末にかけて「買いが買いを呼ぶ」状態となった。28日の時間外取引では、いったん500ドル超まで高騰した。

拡大する写真・図版ネット掲示板「レディット」上にある「ウォールストリートベッツ」の画面

 あまりの人気ぶりに、同社株の売買代金が、アップルやテスラなどの有名銘柄を超えて米国市場トップに躍り出る日も。通信機器ノキア(フィンランド)やアメリカン航空などほかの一部の銘柄も個人投資家たちの標的となり、映画館チェーン大手のAMCエンターテインメントは、株価が1日で4倍になるなど局所的なバブルが出現した。

 これらの企業に、株高につなが…

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