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 車を購入する際、燃費のデータは売り手が説明する消費者契約法上の「重要事項」かどうかが争われた訴訟の判決が29日、大阪地裁であった。田口治美裁判長は「環境問題への配慮の観点からも、燃費は重要な要素だ」として、車の売買契約を取り消し、販売店に対し買い主側に計約370万円を支払うよう命じた。

 原告は2016年に起きた三菱自動車の燃費不正問題で、データが改ざんされた軽自動車「eKワゴン」などを購入した北海道や東京、大阪、鹿児島などの約90人。判決は和解が成立した原告を除いた30人のうち28人について、売買契約を取り消した。

 判決は、消費者にはカタログなどが唯一の情報源とし、原告らの多くがカタログに記載された改ざんデータを参考にしたと認定。「燃費値は環境問題への配慮の観点からも重要な要素」と述べ、重要事項を誤認させた場合、契約を取り消せる同法の規定を適用した。販売店側の「カタログは参考程度で燃費の値は購入の決め手と言えない」などとする反論を退けた。

 ただ車の購入後、原告らが実際に車を使用した「利益」を販売代金から差し引き、残額があるとした原告に対してのみ支払いを命じた。

 三菱自動車への損害賠償請求は燃費データの改ざんを認めたが損害との因果関係を否定し、棄却した。(遠藤隆史