甘味料に「誤解与える」 共通テストの問題文で業界団体

小林未来
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 16日にあった大学入学共通テスト第1日程の英語の問題文が、甘味料について誤解を与える内容だとして、疑問視する声があがっている。健康への悪影響を指摘する内容だが、食品添加物の業界団体は問題文で名の挙がった甘味料は安全性が確認されているとして「適切ではない」との見解を公表した。

 問題は、英語リーディングの第6問B。英文読解の問題文の中で「いくつかの研究は、人工的に作られた低カロリー甘味料摂取と様々な健康への懸念を関連づけている。低カロリー甘味料のうち、発がん性の疑いがある強力な物質を含むものもあれば、記憶力、脳の発達に影響するものもあり、それらは、特に幼児、妊婦、高齢者に危険となり得る」といった内容が書かれていた。

 大学入試センターによると、問題は特定の出典元からの引用ではなく、複数の資料を参考に、問題作成部会で作ったものだという。

 この問題文について、食品添加物のメーカーなどでつくる一般社団法人・日本食品添加物協会は21日、見解を公表。

 「一部にそうした主張をしている科学者がいるのは事実なので、内容がすべて虚偽だと抗議するものではない」としたうえで「科学全体としては認められていない、ごく一部の研究内容をもとに安全性への懸念だけをクローズアップさせることは、誤った認識および不安や混乱を与えてしまう」としている。

 同協会などによると、問題文が言及した甘味料はいずれも、様々な研究を網羅的に調べたうえで、国内外で安全性が認められている。例えば、欧州食品安全機関(EFSA)のサイトによると、甘味料「アスパルテーム」は過去に「発がん性がある」とする研究も発表されたが、その後の検討で、十分な根拠がないと否定されている。

 専門家のグループ「食品安全情報ネットワーク」も同様の問題点を指摘し、過去問題として授業で使われたり、参考書に載ったりしないよう措置を講じることを求めている。

 食品添加物に詳しい西島基弘・実践女子大名誉教授は「英語力を測るのが目的の問題文だとしても、誤った知識を広めてしまいかねない。出題者側の科学的知識のレベルが問われる」と話す。

 大学入試センターは取材に対し、出題内容は問題作成部会のほか、三つの部会でチェックしていると説明。協会や研究者の指摘については「特にコメントはない」としている。小林未来