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 科学者の代表機関である日本学術会議はどうあるべきか。菅義偉首相が昨秋、会員候補6人を任命しなかった問題に端を発するあり方の見直し議論が進んでいる。いまの「政府の特別の機関」を改め、国から独立させるか否かが最大の焦点で、学術会議自らが4月までに改革案をまとめる予定だ。政府は報告を受けて結論を出す方針だが、多くの人が納得できる案となるか、難航が予想される。

 昨年12月24日。井上信治・科学技術担当相は、学術会議の梶田隆章会長と会談し、「現行の設置形態にこだわることなく、フラットに検討を進めてほしい」と独立の検討を求めた。

自民PTが提言「独立を」

 発端はその1カ月前だった。井上氏は11月26日、梶田会長に「国の機関からの切り離しも含めた検討」を要請。いち早く独立の検討を進めていた自民党のPT(プロジェクトチーム)は12月11日、「2023年9月までに政府から独立した法人格」にすることを求める提言を井上氏に提出した。

 こうした独立の提案に対し、学術会議自身は慎重だ。12月16日に井上氏に提出した中間報告では、日本を代表する学術機関として、①国を代表する機関としての地位②公的資格の付与③国家財政支出による安定した財政基盤④活動面での政府からの独立⑤会員選考における自主性・独立性――の5要件が必要とし、現在の形態なら5要件すべてを満たすとした。その上で、独立するとしても「5要件を満たす制度設計が可能なのかが論点」などと課題を挙げた。

 学術会議は1949年に創設されて以来、そのあり方は何度も議論されてきた。直近では2015年に科技相の元に設置された有識者会議があり方について検討し、この時は「現在の制度を変える積極的な理由は見いだしにくい」と評価している。学術会議はこうした点を踏まえ、設置法を改正してまであり方を変えなければいけないような「明確な理由がクリアになっているのか」(小林傳司・第1部幹事)と疑問を投げかけている。

「無力化される」と心配する声も

 会員らの意見も様々だ。

 ある会員は「国から独立した方…

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