センバツ高校野球 柴田と仙台育英が出場決める

近藤咲子 大宮慎次朗
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 今春の第93回選抜高校野球大会の出場校が29日に発表され、宮城県内からは仙台育英と柴田が選ばれた。仙台育英は2年連続14回目の選出で、柴田は春夏合わせて初の甲子園。コロナ禍の影響で全国大会が開けない1年を経た明るい知らせに、部員たちは歓喜した。県内の2校が同時に出るのは20年ぶり2度目となる。

甲子園 初白星も狙う 柴田(初出場)

 午後3時40分ごろ、校舎1階の会議室で土生善弘校長が受話器を取った。「謹んでお受けいたします」

 雪がちらつくグラウンド。整列して待っていた部員33人は、うれしい知らせを耳にしても、神妙な表情を崩さなかった。

 写真撮影に移り、遠藤瑠祐玖(るうく)主将(2年)が「よっしゃー!」と声をあげてからだった。部員たちは一斉にジャンプして、喜びを爆発させた。

 7年ぶりに出場した昨秋の東北大会で、八戸学院光星(青森)や東日大昌平(福島)など各県の優勝校を破る快進撃を見せて準優勝した。そして手にした、春夏通じて初めての甲子園出場。

 遠藤主将は「入学時からの夢。目標の場所でプレーできることに感謝して練習したい」と喜びをかみ締める。

 堅い守備から流れを作る「守り勝つ野球」が目標だ。

 昨秋からエースナンバーを背負う谷木亮太君(2年)は、130キロ台の直球に多彩な変化球を織り交ぜ、打たせて取る粘り強さが持ち味。東北大会では5試合で球数制限の計500球を投げきった。

 「甲子園でまず1勝」。谷木君が掲げる新しい目標だ。「球速や変化球のキレ、制球力などを磨いて、自分より上のレベルの打者にも挑んでいきたい」と意気込む。

 今年3月は東日本大震災から10年となる節目でもある。メンバーの中には被災した選手もいて、「その時の『負けてたまるか』という強い思いが、どんな試合でも戦える精神的な強さになった」と平塚誠監督は言う。

 震災やコロナ禍のなかで、野球ができるのは当たり前ではない、とも知った。「感謝の気持ちを忘れずに、甲子園でもチームの和を大事に若々しくたくましくプレーしたい」と語った。(近藤咲子)

前回中止 無念晴らす 仙台育英(14回目)

 昨秋の東北大会で初めての2連覇を成し遂げた仙台育英。室内練習場で遠藤和秀教頭から出場決定を告げられると、部員62人が帽子を投げ上げて喜んだ。

 昨秋は投打に充実した戦いぶりを見せた。

 県大会は初戦から4試合連続のコールド勝ちで、東北大会決勝では18得点。この試合で満塁本塁打を放った秋山俊君(2年)や前チームから主力の吉野蓮君(2年)ら強打者がそろう。

 投手陣には最速140キロ超の6人を擁し、東北大会は4試合でわずか3失点。プロ注目の右腕エース伊藤樹君(2年)は、唯一の登板になった準決勝の花巻東戦を6回無失点に抑えた。

 3年ぶりの出場を決めた前回大会が中止になりながらも、夏に向けて奮闘する先輩たちを見てきた。

 島貫丞主将(2年)は「甲子園は小学生の頃からの夢。先輩たちから託された思いを背負って、東北でまだない日本一に向けてがんばりたい」。須江航監督は「震災から10年の年に大きな舞台に立つ意味をしっかり感じて、色んな人の思いを乗せた大会にしたい」と話した。(大宮慎次朗)