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 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言が再び大阪府内に出され、不要不急の外出自粛が求められる中、東大阪市の酒屋が無料通信アプリ「LINE」のビデオ通話機能を使った「デジタル来店サービス」に力を入れている。客は店内の商品を見ながら店主とやりとりでき、店頭に近い雰囲気で買い物が楽しめる。

 近鉄奈良線の若江岩田駅近くにある「酒のにしだ」。店主の西田祥一さん(41)は、ビデオ通話がつながると店のタブレット端末で商品を映し出す。ビール、ワイン、日本酒、焼酎……。扱う約500点の中から客の希望に応じてパッケージやラベルを見せ、特徴や価格を紹介する。通話は平均5~10分。1月に入り新型コロナの感染者が急増すると、利用者が一気に増えた。

 利用者のリクエストを受けて店側から発信し、注文された商品は配達するかゆうパックを使うのが基本。ギフトの場合はラッピングした画像をLINEで送って確認してもらう。支払いは振り込みや代金引換などで対応しているという。

 ネット販売も受け付けているが、西田さんは「自粛で人との会話が減った方もいる。買い物を通じた会話がストレス発散の機会になれば」と、ビデオ通話販売の狙いを説明する。

 サービスを始めたのは、昨年4月に緊急事態宣言が出た直後だ。それまで店には毎日50人弱の客が来たが、宣言後は半減。代わりにネット注文が増えたが、「これまでのように1対1での商売ができないか」と考え、LINEを使った接客を思いついた。

 知人に試してもらうと、「本当に店で買い物しているみたい」と評判が良かった。緊急事態宣言が解除されてやめたが、再び感染者数が増えた7月下旬から再開した。利用者は40代までの若い世代が中心で、常連客だけでなく、SNSでギフト用ラッピングの投稿を見た人からの注文もあったという。

 西田さんは「『商品を見ないと買えない』という方もいるはず。コロナ禍でも、工夫してお客さんと直接やり取りする商売を大切にしていきたい」と話す。

 店の営業時間は午前10時~午後9時(ビデオ通話は午前11時~午後8時)。配達エリアは東大阪市と大阪市内の3区(城東、東成、鶴見)の全域に加えて、八尾市、大東市の一部も含まれる。LINEのほか、インスタグラムのビデオチャットでも対応している。問い合わせは同店(072・963・3111)へ。(山中由睦)

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