先進国のワクチン確保競争「短絡的」 WHOトップ警鐘

新型コロナウイルス

ロンドン=下司佳代子
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 新型コロナウイルスの感染が広がり、世界保健機関(WHO)が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言してから30日で丸1年になる。WHOのテドロス・アダノム事務局長は29日の記者会見で「パンデミック(世界的大流行)は世界の不平等を露呈した」と述べ、ワクチンの公平な分配を呼びかけた。

 WHOが緊急事態を宣言した当時、中国以外での感染者は100人に満たなかったが、1年後の現在は世界で1億人を超えた。テドロス氏は、ワクチンによって感染を制御する「絶好の機会」が与えられたものの、不平等をさらに悪化させるおそれがあると指摘。「村が燃えている時に少数の人々が自分の家を守ろうと全ての消火器を買いだめしても意味がない。全員が消火器を持って一斉に使えば火は早く消せる」と語り、先進国が競って人口分以上のワクチンを確保する「ワクチンナショナリズム」は「短絡的で自滅的だ」と警鐘を鳴らした。

 製薬会社から直接、ワクチンを購入している国に対しては、自国の医療従事者と高齢者に接種を済ませたら、残りのワクチンは、途上国でも医療従事者らが早く接種できるように、国際的に公平に分配する枠組み「COVAX(コバックス)」に分けるよう呼びかけた。(ロンドン=下司佳代子)

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