[PR]

 米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は29日、開発中の新型コロナウイルスのワクチンの最終治験の結果、1回の接種で症状を防ぐ効果が66%あったとする暫定結果を公表した。南アフリカで確認されている変異ウイルスにも有効だという。

 同社は近く米食品医薬品局(FDA)に緊急時の使用許可を申請する。早ければ2月中に米国で接種が始まる可能性がある。

 J&Jのワクチンは、新型コロナウイルスの表面のたんぱく質を作る遺伝子を、病原性のないアデノウイルスに入れ細胞に運んで、抗体を作る仕組み。

 最終治験は米国や中南米、南アの約4万4千人が参加。ワクチンと偽薬を接種するグループに分けて効果を比べた。接種28日後に、軽度から重度の新型コロナの症状を防ぐ効果が66%あった。重症予防に限ると効果は85%、入院や死亡は完全に防げたとしている。ただ、変異ウイルスの感染が大半を占める南アでは、症状の予防効果は57%とほかと比べて低かった。

 同社は日本でも250人を対象とした治験をしている。

 先行して米国で接種が行われている米ファイザーと独ビオンテックや、米モデルナのワクチンはウイルスの遺伝情報「RNA」を使ったもので、2回接種すれば約95%の効果があるとされるが、極低温での冷凍保存が求められることがある。J&Jのワクチンは、1回の接種で済み、特別な冷凍設備も必要ない。ファウチ大統領首席医療顧問は「付加価値の高いワクチン候補を手にした」と話した。(ワシントン=香取啓介)