第2回貧困、孤独、愛国心 男を変えた「暗黒のオバマ時代」
拡大する陰謀論 溶けゆくファクト② デザイン・米澤章憲
米バージニア州グウィンアイランドに住むダグラス・スイート(58)は1月6日、ワシントンの連邦議会議事堂に侵入したとして、連邦捜査局(FBI)から逮捕された。何が彼を駆り立てたのか。自宅で、これまでの歩みを聞いた。
拡大するダグラス・スイートの自宅の庭には、トラクターが3台、小舟が2隻置いてある=2021年1月14日、米バージニア州グウィンアイランド、藤原学思撮影
11歳の黒のラブラドル、ジェンキンスの額をなでながら、「私は幸せに過ごしてきた」とスイートは話した。
1962年、現在の居住地から40キロほど離れたバージニア州ヨークタウンで生まれた。米国の独立戦争で1781年、英軍が降伏した場所だ。「米国が生まれた地だぞ」と得意げに話す。「愛国心を持って育ったんだ」
父は米航空宇宙局(NASA)の航空エンジニアで、母は不動産業を営んでいた。10歳で現在の地域に家族で引っ越し、父は17歳のときに他界した。
米大統領選をめぐり、「票が操作された」「本当の勝者は違う」という、根拠のない陰謀論が絶えません。米国では連邦議会議事堂が襲撃される事件に発展し、日本でも拡散しています。こうした陰謀論はどこから生まれ、社会にどう影響するのか。シリーズで伝えます。
地元の公立高を卒業してから…
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