「人財」になろう 合格でも不合格でも、あなたが主人公

校長から受験生へ

聞き手・川口敦子
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 入試シーズンが本格的に始まりました。コロナ禍の中で頑張っている受験生たちへ、校長たちからの言葉をお届けします。

校長から受験生へ:広尾学園小石川中学校・高校の松尾廣茂さん

 受験の勝敗は合否だけではないはずです。中学、高校、大学と一定の年齢を迎えると「受験生」になる場面がやってきますが、肝心なのは、受験を通して興味・関心が広がったり、我慢する力を持てたりすることだと思っています。

 どこで力が伸びるのか、そのタイミングは人によって違います。「今、目の前のこの試験が全て」と思いがちですが、たくましく学び続ける力を養うことが一番大切ではないでしょうか。

 世の中に一歩出ると、色々な形のヒーローがいます。いま分からなくても、あなたの強みを発揮できる場所が必ずある。近年、子どもたちに接していて、全般的におとなしいなと思います。できることよりできないことに注目してしまい、自己肯定感が低い子が多い。自分が描いたストーリーでないと、エキストラを演じてしまいがちです。

 自分の人生なんですから、合格でも不合格でも、あなたが主人公です。普通に学べることにまず感謝して、今の自分を受け入れましょう。外からどう見られているかを気にする前に、自分がめざすあり方に敏感でいて下さい。それが自信につながります。

 本校は村田女子高校のときから広尾学園と教育連携をし、今年4月から広尾学園小石川として生まれ変わります。教育理念は「自律と共生」です。学校の特色の一つに、海外帰国子女を受け入れるなど、国際対応力の強化があります。

 海外に目を向けると、自己肯定感の高い生徒が多い。入学までの背景が異なる子どもたちが集い、違いを受け入れながら切磋琢磨(せっさたくま)し合う。そんな真の交流を望んでいます。

 受験というとシビアに聞こえますが、受験生だって、たまには甘えていいと思います。甘えと甘やかしは違います。煮詰まり、苦しい時期もあるでしょう。そんなときに飛び込める空間を確保しておきたいですね。

 家族でも学校でもいい。受験生が身近にいる環境下の大人は、甘えなのか甘やかしなのかを判断し、甘えには温かみを持って受け止める余裕を持てるよう、心がけたいものです。

 私は、社会に出たときに、「人材」ではなく「人財」になってほしいと思っています。「人材」は代わりがいるでしょう。でも、「あなただから一緒に働きたい」と周りに思わせる「人財」になってほしい。

 それには能力だけでなく、人としての魅力が不可欠です。そのために教育があると思っています。私たち教員は真剣勝負で、みなさんの「いいところ探し」をしますから、みなさんも貪欲(どんよく)に学んで下さい。=おわり(聞き手・川口敦子)

     ◇

 まつお・ひろしげ 1960年、東京都生まれ。2007年に順心女子中高を共学化して広尾学園を作った。広尾学園では数学科主任教諭を務めた後、教頭として学園の改革を先導した。

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