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「プール方式」のPCR、破格の安さ でも精度には注意

有料会員記事新型コロナウイルス

阿部彰芳、市野塊
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 新型コロナウイルスのPCR検査について、厚生労働省は今月、数人分の検体を一度に調べる「プール方式」を、対象を限って行政検査でも使えるようにした。無症状の人まで検査が広がり、隠れた感染者が見つかることが期待される。うまく使えば時間とコストを減らせるが、精度は落ちるため、使い方には注意が必要だ。

 プール方式は、複数の人の検体を混ぜて一度に調べ、結果が陽性のときだけ一人ひとり調べ直す。感染者が少ないほど調べ直す機会が少なくてすみ、検査規模を拡大しやすい。一方、症状のある人や濃厚接触者など感染が疑われる人に用いると、検査し直す二度手間が増え、非効率になる。このため、感染者がほとんどいないと見込まれる人たちに適した検査方法だ。

 国内では、新型コロナの検査を症状のある人や濃厚接触者に集中させてきた。だが、感染に気づかない無症状の人が大規模クラスターのきっかけにもなる。厚労省は昨秋以降、感染の流行地の高齢者施設などでは、感染者が1人も確認されていなくても一斉・定期的に検査するよう求めてきた。だが、検査の負担もあり、徹底されてこなかった。

 東京都世田谷区などは、介護職員らへの検査を増やすため、プール方式を国が費用を持つ行政検査で使えるように要請。厚労省は今月、プール方式の検査法の指針を公表し、高齢者施設や医療機関での感染拡大を防ぐために、職員や入所・入院者で無症状の人を対象に行政検査で使えるようにした。

 プール方式の必要性を提唱してきた徳田安春・群星沖縄臨床研修センター長(臨床疫学)は「検査の目的は、陽性者をできるだけ多く見つけ出し、隔離、保護すること。海外の先進国はすでにプール方式を導入し、病院などでのクラスター防止につなげている。日本でも使える手段は全て使っていくべきだ」と話す。

 ただ、プール方式は陽性と判定する精度が一般的には落ちる。PCR検査では、ウイルスの遺伝物質の有無を調べるが、検体内のウイルス量が少なすぎると陰性と判定される。検体を入れるチューブの大きさは決まっており、プール方式ではチューブ内の1人あたりの検体量が少なくなるためだ。また、PCR検査自体、試薬や機器によって精度はまちまちだ。

 こうした実情も踏まえ、厚労省の指針では、プール方式を始める前に機器や試薬の精度の確認を求め、検体を混ぜるのは5人分を基本としている。

 PCR検査に詳しい亀田総合…

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