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 大学入学共通テストの第2日程が30日、始まった。コロナ禍に伴う休校で授業が遅れた高3生や、体調不良で第1日程(16、17日)を受けられなかった生徒らが受験した。31年続いた大学入試センター試験の後継である共通テストは今年、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、16、17日と30、31日の2回、本試験を設けた。約53万人が出願した第1日程に対し、第2日程の受験予定者は約2500人だった。本試験が2回行われるのは共通1次試験、センター試験を含め、初めて。

 受験生の中には自分や家族がコロナに感染し、急きょ第2日程に回った人もいた。

 京都大を志望する都立高校3年の男子生徒(18)は第1日程の直前の10日に発熱し、嗅覚(きゅうかく)と味覚を失った。PCR検査で感染が判明した。自宅で療養し、数日後に回復してから勉強を再開した。第1日程で受験し、その後は個別試験の対策にあてる計画が崩れた。勉強に割ける時間が減り、絶望的な気持ちになったというが、「3年間、一生懸命頑張って勉強してきたので、気持ちを切り替えて頑張ります」と話した。

 都内の私立高校に通う女子生徒(18)は年明けに発熱し、7日に新型コロナの感染がわかった。結果を聞いて「まさか」と思った。校内では違う学年の生徒が陽性になっていたが、接点はなかった。学校や塾に通っていたが、どこで感染したのか全く心当たりがないという。

「家族に申し訳ない」

 39度の発熱が5日間続き、頭痛もあった。受験勉強をできる状態ではなかったという。「受験勉強で家族に負担をかけていたのに、さらにコロナになって申し訳ない気持ちでいっぱいだった」と語る。

 第2日程では、第1日程と比べて難易度が上がると聞いたが、体調を考えると第2日程の受験を選ぶしかなかった。体調が戻った後は勉強時間を1~2時間増やし、1日に13時間ほど机に向かった。第1志望の上智大学では英語を学びたいと願う。「将来は英語を使った仕事に就きたい。そのために頑張ります」と意気込んでいた。

 都内の私立高校3年の女子生徒(18)は、母親が13日に新型コロナに感染したことが判明した。母親には自宅の一室で過ごしてもらい、女子生徒は勉強しながら、父親と交代で母親を看病した。母親が食事に使った食器は消毒し、家庭内感染を警戒していたという。数日後に濃厚接触者と認定され、第1日程での受験は諦めた。

 女子生徒は「濃厚接触者になっても第2日程を用意してくれているのがわかっていたので、落ち込まなかった」。第1志望は、関西地方の私立大。「今までの勉強の成果を発揮したい」と意気込んだ。

 福岡県内の高校3年の男子生徒(18)は今月中旬にコロナへの感染が判明したため、日本経済大福岡キャンパス(福岡県太宰府市)で受験した。無症状で、自宅で療養している間も勉強を続けたが、学校で先生の指導を受けられず、友人たちの様子もわからなかったので、不安だったという。「ほかの受験生から2週間分の遅れが出ていて心配だ」と話した。

 大阪大(大阪府吹田市)の試験場に向かっていた府立高3年の女子生徒(17)は「確実に得点したい」と、第2日程を選んだ。第1志望は大阪市立大文学部。第1日程の問題を見て「大学入試センター試験と大きく変わらない印象。学校で勉強してきた対策が通用する」と感じた。同級生の大半は第1日程で受け終えていて、学校に行くと心細く、感染拡大も収まらないため、この1週間は休みがちだったが、共通テスト対策に十分取り組めたという。「全力で頑張ります」と話した。

第1日程が雪で中止の受験生も

 暴風雪で第1日程の初日が中止になった北海道稚内市の稚内北星学園大学会場では、再試験があった。市内では29日も猛吹雪になり、大学は公共機関に30日早朝からの除雪を要請した。吹雪の中、入場開始時間の午前8時になると、受験生は保護者の車やタクシーなどで続々と会場に入った。

 70キロほど離れた天塩(てしお)高校(北海道天塩町)の笹川流大さんは稚内市内のホテルに前泊した。当日の通行止めを心配し、29日に晴れ間をぬって親の車で稚内に向かった。「朝も吹雪で心配したけれど、試験ができることになってよかった。この2週間は力を伸ばすいい期間になった。全力を尽くしたい」と語った。

 大学入試センターによると、交通機関の運休や遅延のため、秋田大と大阪大の試験会場で、いずれも1人が地理歴史・公民の開始時刻を20分と69分繰り下げた。(阿部朋美、花房吾早子、横川結香、奈良山雅俊)