コロナ病床、なぜまだ不足? 根っこにある甘さと鈍さ

有料会員記事新型コロナウイルス

笹川翔平、森下裕介 荻原千明、田村建二 久永隆一
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 新型コロナウイルス患者に対応できる病床はなぜ、不足するのか。病院のほとんどを占める民間施設が、減収につながるとみてコロナ患者の受け入れを敬遠しがちなことが理由の一つだ。医療スタッフの確保など、ほかにも課題は多い。

 2度目の緊急事態宣言を受けた大阪府。ある民間病院は昨年7月から、約400床のうち5床をコロナ患者用とし、軽症・中等症患者を受け入れている。黒字経営だったが、昨年4~6月期で1億5千万円ほどの赤字になった。受け入れ前から始まった感染の第1波で、感染を懸念する人たちの受診控えなどで外来患者が約3割減ったためだ。

 第1波がおさまっていくと受診控えも解消していった。黒字に戻せそうになった矢先、昨秋以降の第3波が起きた。コロナ患者用ベッドはほぼ満床だ。実施した医療サービスに対して公的医療保険から支払われる診療報酬は、コロナの入院患者1人平均1日7万円ほど。同じ病床で肺炎患者を受け入れた場合の5万円より高いが、事務長は「コロナ患者への対応は一般患者の2倍の手間がかかる」という。看護師らを配置するには他の診療を制限せざるを得ない。

 感染の疑いがある人たちを隔離する病床も5床ほど整備する必要があるが、空床でも府の空床補償の対象にはならない。受診控えも再び深刻化しており、赤字幅が膨らみそうだという。

 国内の病院の多くは民間だ。急性期病棟をもつ4255医療機関のうち3分の2を占める。厚生労働省の昨年11月末集計では、コロナ患者の受け入れが可能と答えたのは約4割の1707機関だった。民間の受け入れはわずか21%。公的は83%、公立は71%と差は大きい。

 病院の経営状況は様々だが、全国の病院でつくる日本病院会会長の相沢孝夫氏は指摘する。「大半が中小規模の民間病院は、コロナ病床のために病棟を一つ潰せば経営に直結する。赤字でも税金投入で維持される公立病院とは違う」。公立・公的病院をコロナ専門病院にする方が現実的だと提案する。(笹川翔平、森下裕介)

ベッドは多くても

 受け入れが進まない理由は他にもある。

 日本は世界的にみても人口当…

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