カネミ油症は終わってない 31歳の私に起きている不調

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高木智子
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国が「次世代」の健康調査へ

 1968年に発覚した国内最大の「食品公害」のカネミ油症で、初めて行われる認定患者の「次世代」に特化した健康調査について、厚生労働省は30日、対象は患者の子を想定していると、患者側に伝えた。推計で300~400人にのぼるという。

 この日、オンラインで開かれた患者と国、原因企業のカネミ倉庫(北九州市)による3者協議の中で説明した。厚労省によると、次世代向けの実態調査は「全国油症治療研究班」(事務局・九州大)が担う。早ければ今春にも認定患者の子に調査の同意書が届く見通しという。「協力金」の支払いも検討している。

 今後、調査対象や手法など具体的な内容を詰める。患者団体は調査を「一歩前進」と評価する一方、認定患者の子だけではなく、孫世代や親が未認定でも患者特有の症状を訴える声が出ており、調査を広げるべきだと主張している。

 厚労省によると、カネミ油症の認定患者は昨年末時点で累計2350人。毎年実施している健康実態調査には1300人ほどが答えていて、このうち50人ほどが「次世代」だという。

 協議後の記者会見で、カネミ油症被害者全国連絡会の事務局長、三苫哲也さんは「調査に患者側の意見も反映させてほしい。埋もれている2世を掘り起こし、患者認定につなげたい」と話した。

 支援団体が昨年、子や孫ら49人にアンケートをしたところ、認定患者と似た症状を訴える人が目立った。支援団体が厚労省に健康実態調査を要請していた。

身投げしようと向かった港

 下田恵さん(31)=長崎県諫早市=がカネミ油症と向き合うようになったのは、高校1年の時。親に連れられて、患者の集いに出かけた時のことだった。

 油症患者として歩んだ過去を語る一人の女性。帽子を目深にかぶり、マスクと眼鏡をして顔を隠していた。声を聞くまで母順子さん(59)と気づかなかった。「顔を隠さなければ被害を語れないなんて」。初めて聞く母の半生に、ショックを受けた。

 長崎県五島列島。1968…

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