国語、代ゼミ問題分析 大学入学共通テスト第2日程

代々木ゼミナール提供
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国語(第2日程)

共通テスト試行調査の設問形式をふまえた問題も見られたが、全体としてセンター試験に類似した問題が多かった。

―概評―

第1問(現代文)は評論文によるオーソドックスな読解問題であり、センター試験の出題形式に近いものであった。第2問(現代文)は2017年に発表された現代の小説からの出題であった。第3問(古文)は、従来のセンター試験の基本スタイルとほぼ変わりないものであった。第4問(漢文)は、内容の骨格はわかりやすいが、修辞表現が多用されており、一文一文の慎重な理解が求められた。

センター試験・試行調査との相違点(第1日程との相違点)―

第1問(現代文)の評論は、センター試験の過去の出題傾向が踏襲されており、第1日程や試行調査で出題されたような複数の文章を用いた設問はみられなかった。第2問(現代文)の小説も、長めの会話文を含む設問はあるものの全体的にはセンター試験の傾向を受け継いだ出題だった。第3問(古文)は擬古物語による出題で、文中の和歌についての設問はあったが、試行調査に見られた「引き歌」や第1日程のような歌集との比較などの新形式はなかった。第4問(漢文)は、設問中に別の資料を引用するなど、第1日程同様に試行調査の要素が盛り込まれていたが、全体的に過去のセンター試験の設問形式が目立つ問題構成だった。

【大問数・設問数・解答数】

4

24

37

【問題量】

第1問は3700字程度、第2問は3700字程度、第3問(古文)は1200字程度。第4問の漢文部分は、165字(空欄を含む。加えて設問7に22字の小文あり)。

【出題分野・出題内容】

近代以降の文章2題、古文1題、漢文1題の構成。

第1問(現代文)は多木浩二『「もの」の詩学』、第2問(現代文)は津村記久子「サキの忘れ物」、第3問(古文)は『山路の露』、第4問(漢文)は、曾鞏「墨池記」(問7の資料は『晋書』「王羲之伝」)からの出題。

【出題形式】

第1問(現代文)では漢字問題、傍線部説明問題のほか、文章の構成と内容について問うものや生徒が挙げた具体例の中から本文の趣旨に合致しないものを選ばせる設問が出題された。第2問(現代文)は主人公の心情の変化を問う設問を中心としつつ、最終設問で登場人物の描かれ方について生徒同士が話し合う場面を想定した出題がなされた。第3問(古文)は本文の分量は従来のセンター試験並みで、第1日程より増加。ただし第1日程では和歌が5首あったのに対し今回は2首に留まった。問1の枝問が1つ減ったが2択の設問が増えたので、設問数・解答数とも第1日程と同じ。第4問(漢文)は、重要語や基本句法の理解、登場人物の心情理解など、主として漢文の学力を試す一般的な設問形式が目立ったほか、同じ故事をふまえる他の文献を引用し、本文との関係性を問う新傾向の設問や、句法の知識が必須となる問題や正解を二つ選ぶ問題も見られた。

―難易度(全体)―

国語全体としては、センター試験と比べて、ほぼ同程度の難易度。試行調査(第2問~第5問)から予想された新傾向問題は部分的なものに止まり、解きやすいものが多かった。大問では、第1問と第2問はセンター試験と比べて同程度~やや易しめの問題、第3問はほぼ同程度、第4問は少し解きくい問題が散見された。

―問題別分析―

第1問

・問1 漢字の知識を問う問題 難易度:やや易

・問2 傍線部内容説明問題 難易度:やや難

・問3 傍線部内容説明問題 難易度:標準

・問4 傍線部内容説明問題 難易度:標準

・問5 文章の構成と内容を問う問題 難易度:標準

・問6 本文合致問題 難易度:やや難

本文は、椅子の形態の変遷から「もの」の持つ社会的・政治的側面について説明した文章。全体的に従来のセンター試験の傾向を踏襲しているが、第1日程同様、漢字問題(問1)は5択から4択になった。問2では本文の内容・展開を正確に把握することが求められ、さらに問6では本文の趣旨を身近な具体例に当てはめて考えることが要求されているため、本文の内容をしっかりと整理して設問に臨む姿勢が必要とされた。

第2問

・問1語句の意味説明問題 難易度:やや易

・問2心情説明問題 難易度:やや易

・問3心情説明問題 難易度:標準

・問4心情説明問題 難易度:標準

・問5表現理解問題 難易度:やや難

・問6生徒の対話文をもとにした空欄補充問題 難易度:標準

近年発表された小説の一節からの出題。登場人物は主に主人公の女子と、彼女のアルバイト先の客である女性の2人であり、主人公の心情を問う問題が中心となっている。問1の語句の意味を問う問題を含め、全体的に従来のセンター試験の傾向を受け継いだ出題となっており、設問は比較的正解を絞り込みやすい。問6では長めの対話文が取り上げられた点にやや新味が感じられる。一つ目の空欄は正解を選びやすいが、二つ目の方は根拠を見出しにくく、迷った受験生もいただろう。

第3問

・問1 語句解釈問題 難易度:標準

・問2 語句及び表現に関する問題 難易度:標準

・問3 内容説明問題 難易度:標準

・問4 心情把握問題 難易度:やや難

・問5 表現及び内容理解に関する問題 難易度:標準

源氏物語』の続編として書かれた擬古物語『山路の露』からの出題で、恋愛のもつれに苦しんで姿を消した女君を、男君が訪れる場面。擬古物語はセンター試験で頻出の題材であり、本文量、設問の形式も従来とほぼ変わらない。ただしセンター試験で定番だった、傍線部の内容や心情を解釈する設問は無く、傍線が付されていない設問が多いため、本文の広範囲に目を配る必要があった。問5は「月」の描写に着眼し、和歌の解釈や表現効果を多角的に問う問題だった。

第4問

・問1 傍線部解釈問題 難易度:標準

・問2 空欄補充問題 難易度:標準

・問3 句法の説明問題 難易度:標準

・問4 傍線部解釈問題 難易度:標準

・問5 内容説明問題 難易度:やや難

・問6 返り点と書き下し文の問題 難易度:標準

・問7 複数文章の内容合致問題 難易度:標準

本文の出典は、曾鞏「墨池記」。また問7の資料は、『晋書』「王羲之伝」。本文は、王羲之のような優れた書家でさえ、積年の修練によって大成したことをふまえ、学徒を鼓舞したもの。本文はやや難度の高い表現が多く、慎重な読解が求められた。問1~6は概ねセンター試験を踏襲した設問形式だが、文脈理解よりも、漢文の重要語や句法に関する知識にやや重きが置かれている。問7は本文と資料の双方をふまえた全体の内容理解を問う問題。正解を二つ選ぶ問題(問3)や、合致しないものを選ぶ問題(問7)もあり、やや解きにくかった。(代々木ゼミナール提供)