「寡黙で内気な五郎丸が変わった」エディ、教え子を語る

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構成・遠田寛生
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 ラグビーの欧州6カ国対抗は2月6日に開幕し、各地で新しいシーズンが本格化する。2023年ワールドカップ(W杯)フランス大会の組み合わせも決まり、4年に1度の大舞台に向け、代表チームの強化は加速していく。イングランド代表のエディ・ジョーンズ監督(61)は23年を見据え、どんな強化プランを描いているのか。そこで相まみえる古巣・日本への思いは。

 昨年12月にあった23年W杯の組み合わせ抽選で、イングランドと日本は共に1次リーグD組に入った。日本は選手が素早くてチームに勢いがある。タフで戦術が確立された我々とは対照的なスタイルで、おもしろい試合になるだろう。

 23年の日本代表の顔ぶれは、まだ予想できない。19年W杯の日本代表には15年W杯に出た選手が10人もいた。W杯に3度続けて出場することは難しい。

変わる日本選手の「質」

 ただ、それは悲観することではない。世代交代は進化の証しでもある。注目しているのは、自信をつけている若手たち。南半球最高峰リーグ・スーパーラグビー(SR)のハイランダーズ(ニュージーランド=NZ)に移籍したFW姫野和樹、サンウルブズでプレーしたバックスの松田力也(パナソニック)、SH斎藤直人(サントリー)が代表格だ。「内容が良ければ負けてもいい」という考えは、彼らにはない。どんな相手でも勝利にこだわるメンタルが培われている。

 姫野やクレルモン(フランス)でプレーするFB松島幸太朗の存在は大きい。日本の選手も実力を示せば世界のトップレベルでプレーでき、高額の契約を勝ち取れる。10年前にはなかった光景だ。彼らが経験を持ち帰ることで、代表はさらに成熟するだろう。もちろん、主将のFWリーチ・マイケル(東芝)を欠いた場合の代役、リーダーシップを発揮できる存在は育てていかなければならない。

 斎藤がいるSHは日本の強み。(主力の)流大(サントリー)は23年も健在だろう。日和佐篤(神戸製鋼)もいる。コンビを組むSOでは、山沢拓也(パナソニック)の存在が忘れられない。私が日本代表を率いていた時、17歳だった彼を見て、これまで見た若手で最高の一人だと思わせる素晴らしい選手だった。

 これまでとは違った質の選手が次々に現れている印象も、今の日本からは受ける。バックスではCTB中野将伍(サントリー)がいい。全身が筋肉のような大きく強い体で、いいコースを見つけて突破する。

 なぜ、こんなに情報を持っているのかとよく聞かれるが、状況把握は私の仕事の一部。日本国内の試合は当然フォローしている。W杯で対戦が決まり、どんな選手がいるのかは確認しておかなければならない。

4年前とは異なるチーム作り

 イングランド代表は、私が監督に就いた15年W杯後と今とでは状況が違う。19年W杯の主力が残り、基盤はできている。万が一に備え、誰を欠いてもチーム力が落ちないような準備も進めている。

 選考の軸になるのは45人。過去のW杯優勝チームの平均年齢は28歳くらいなので、23年時に26~30歳となるのが主な面々だ。一体感を生み出せるように、W杯までに30試合ほど一緒にプレーさせたい。

 4年周期のチーム作りを考えた場合、まず取り組むのは防御とセットプレー。攻撃は最後になる。世界の強豪では主流のやり方で、相手に攻撃を研究される時間をできるだけ少なくするためでもある。私自身、そうしなかったのは日本代表を率いた時だけだ。

 日本は世界と比べると体格面…

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