軽さと色の美、ミラノ愛を形に ジョルジオ・アルマーニ

ファッション

編集委員・高橋牧子
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 ジョルジオ・アルマーニの2021年春夏オートクチュールコレクションは、本拠地ミラノで行った無観客のショーを配信した。テーマは「ミラノへのトリビュート(捧げもの)」。「新型コロナウイルスパンデミックに見舞われたミラノへの深い愛情を示し、形にしたい」という、アルマーニの思いが込められたコレクションだという。

 作品は、構築的なシルエットと流れるようなラインが共存する、いかにもアルマーニらしいスーツやドレスが中心。ジャケットはぴたりと体に沿い、肩は小さいが、かっちりとしたスクエアやコンケーブド(へこんでそり上がった)ショルダー。襟には花びらのようなカーブやフリルがつけられ、ビジュー(宝石風)ボタンが飾られる。パンツもほっそりとしているが、しなやかに揺れる。

 近年のアルマーニの作風にあるように、今回も「軽さ」と「色」がポイント。透けるチュールに繊細な刺繡(ししゅう)をちりばめたジャケットや、薄地のスリップドレス。オーガンディのドレスの花の刺繍は、ぼかし絵のように複雑な細工だったり、サテンのドレスには全面に花刺繍が施されていたり。身頃の胸あたりからそのまま布が花のつぼみとして立ち上がるようなロマンチックなドレスも。熟練の職人の手による技が圧巻だ。

 鮮やかな赤紫や薄いグリーン、コバルトブルーなど明るい色や、グレーやベージュなど柔らかな色。春夏物だが、アルマーニが好きな素材だというベルベットも使われた。

 アルマーニは今回のコロナ禍でのものづくりに関して「色々なことを反省する機会にはなった。ファッション業界は今、考え直さなければいけない時。無駄なものの削減、環境問題への配慮、度を過ぎる大量生産など、このパンデミックがあらゆる事態を再考するきっかけになることを願っている。人々はこのコロナ禍で、本当に美しいものを心から求めるようになったと思う」とコメントした。(編集委員・高橋牧子)