配管くん、くねくね内部をジグザグ点検 検査ロボを開発

石渡伸治
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 細く曲がりくねった配管内を自走できるロボット「配管くん」を、山形市のロボット開発会社「弘栄ドリームワークス」が立命館大ロボティクス学科(滋賀県草津市)の技術協力を受けて開発した。老朽化した建物のリニューアルに必要な配管点検のため、今年から事業化に乗り出す。

 古い建物や、増改築を繰り返した建物では、水やガスなどを送ったり、電線を覆ったりする配管の図面がない場合や、図面があっても実際の設置場所と異なる場合が多い。目視やドローンによる外部からの配管の点検は手間がかかり、コストを押し上げる要因となっていた。

 同社は2018年、作業を効率化するための配管内検査ロボットの開発を検討。当時、直径100ミリ以下の配管内を自走し、操作が簡単なロボットは実用化されていなかった。このため、対応できる電動のロボット「AIRo(アイロ)」の改良を15年から重ねていた同学科の生物知能機械学研究室に技術供与を要請した。

 AIRoは、本体の前後に取り付けた球状の車輪が全方向に回転。本体の3カ所に車輪つきの関節部があって本体がジグザグに曲がり、関節部にあるバネの伸縮で車輪を配管内部に押しつけながら進む。前後に超高感度カメラやLEDが付いている。

 同社は、球状車輪や配管内に車輪を押しつけて進む仕組みなどについて、同研究室の特許情報などを基に、「配管くん」を開発。回転運動や加速度の計測器も加え、配管の診断と図面の作成を可能にした。

 同研究室の馬書根教授、加古川篤講師は「我々のロボットが机上の空論ではなく、実社会に直接貢献し活用されることをうれしく思う」とコメント。弘栄ドリームワークスの菅原康弘社長は「配管の内部を見て図面を作成する新たなサービスを全国で展開したい」と話している。(石渡伸治)