低アレルゲン小麦、商品化へCFで資金調達 島根大など

清水優志
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 島根大学医学部などのグループが低アレルゲンの小麦を開発し、島根県西部の耕作放棄地で栽培を始めた。アレルギーの発症を抑えられる小麦の商品化に向け、クラウドファンディング(CF)で資金を募っている。

 島根大学医学部の森田栄伸教授、京都大学の遠藤隆名誉教授らのグループが開発した。島根大学医学部皮膚科学講座によると、森田教授らは2003年に「ω(オメガ)―5グリアジン」というたんぱく質を小麦アレルギーの主原因と特定。その後、1万種以上の品種が登録されているデータベースから「ω―5グリアジン」を含まない品種を発見した。ただ、栽培には適さない品種だったため、既存品種との掛け合わせなどの改良を重ねて複数の低アレルゲンの食用小麦を開発。低アレルゲン小麦の総称を「しまね夢こむぎ」と名付けた。

 小麦アレルギーのある人は、じんましんや息苦しさなどの症状が出るため、原則小麦製品を食べることができない。「しまね夢こむぎ」はアレルゲンを含まないため症状が出にくく、風味も通常の小麦と遜色がないという。既存品種の「ホクシン」と交配した品種は香りが良く製粉すると中力粉に、「ミナミノカオリ」と交配した品種はパンに向く強力粉になる。

 製品化に向けた課題はいかにアレルゲンを含む通常の小麦の混入を防ぐかだという。グループでは昨年11、12月、耕作放棄地となっていた県西部の棚田2ヘクタールに種をまき、独立環境での栽培を開始。今年6月に8トンの収穫を見込む。まずは島根県益田市内のうどん店や県内のパン屋での提供をめざす。ただ、ほかの小麦が混ざらないよう専用の施設で選別や製粉をする必要があり、選別機械の購入のためCFでの資金調達が必要になったという。

 森田教授は「低アレルゲンの小麦が流通すれば、世界初だろう。小麦アレルギーになる方がいなくなるよう貢献したい」と話した。

 CFでの寄付受け付けは4月16日まで。目標金額は680万円。寄付額が目標を上回った場合、製粉機などの購入費用に充てる。詳細は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/Mugitan別ウインドウで開きます)。(清水優志)