阪神の佐藤輝明はもう「浜風」と戦った 初日フリー打撃

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(1日、プロ野球春季キャンプ)

 午後、背番号8が打撃ケージに入ると、阪神の矢野燿大(あきひろ)監督や打撃コーチらがケージに歩み寄った。佐藤輝が左打席でバットを振り抜く。ほとんどが中堅から左翼方向へ。沖縄の空へ伸びていく打球は、他の打者に比べ、明らかに高い。

 89スイングで柵越えは9本。矢野監督は「あれだけ高さのある打球を打てる選手はプロでも多くない。振る力は十二分に通用する」とうなった。本人は「しっかり振ることを意識しました」とさらりと言った。

 無観客でなければ、気の早い阪神ファンの耳目を一身に集めていただろう。近大時代、通算14本塁打を放って関西学生リーグの最多本塁打記録を更新した。4球団が競合したドラフトの末、自らの地元、兵庫県西宮市に本拠を置く阪神への入団が決まった。

 この日のフリー打撃、左翼方向への打球が多かった理由を問われると、こう言った。「逆方向にもしっかりと。特に(本拠が)甲子園なので」。右翼から左翼へ吹き、特に左打ちの長距離打者を苦しめる甲子園の浜風を想定していた、と明かした。初日の感想を問われると、「全部疲れましたね。でもまあ、これがキャンプだと思う」。落ち着いたものだ。

 打ち損じが目立つなどまだ粗削りだ。三塁には主将の大山がおり、外野の定位置争いも厳しい。それでも、この21歳からは、真剣勝負での打席を見たいと思わせる空気が漂っているように感じた。スケールの大きな新人が登場した。=宜野座(内田快)