鎌倉時代の「蘇民将来呪符木簡」を特別陳列 尼崎

村瀬成幸
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 新型コロナ禍が続く中、兵庫県尼崎市南城内の市立歴史博物館2階ホールで、同市内の遺跡から出土した鎌倉時代の疫病や災厄を防ぐためのお札「蘇民将来呪符木簡(そみんしょうらいじゅふもっかん)」計3点を特別陳列している。

 歴史博物館の楞野(かどの)一裕学芸員によると、「蘇民将来」は伝説上の人物で、スサノオノミコト(牛頭天王(ごずてんのう)とも)から、茅(ち)の輪を飾り、蘇民将来の子孫と書いた札を付けていれば疫病や災厄から逃れることができると告げられ、その通りにしたところ、末永く家が栄えたそうだ。地方によって伝説の内容は少し違うが、古代・中世以降、蘇民将来は疫病などを防ぐ神として広く信仰され、各地で呪符が作られた。

 陳列中の木簡は猪名庄(いなのしょう)、大物(だいもつ)、深田(ふかだ)の各遺跡から1点ずつ。「蘇民将来子孫宅也(なり)」などと墨で書かれている。家の出入り口に貼られていたと考えられるが、大物遺跡の長さ69センチの大きな木簡は、地面に立てられていた可能性があるという。

 楞野学芸員は「これらの木簡は、いつの時代も疫病を防ぎたいという思いが変わらないことを、現代に伝えてくれます。新型コロナの一日も早い終息を願っています」と話す。3月末まで陳列する予定。

 入館無料。月曜休み。問い合わせは同館(06・6489・9801)。(村瀬成幸)